1.概要
この記事を読む前にぜひHSPのトリセツをご覧ください。
理由はちょいちょい知マイナスとか情マイナスとか聞き慣れない言葉が出てくるためです。
そんな時間ないよ。という方はそのまま進めていって構いません。
人生脚本の書き換え方
そしてこの記事の結論を先に書いてしまいます。
- HSPを縛る禁止令の存在を認識する→
- 「私はOKでない」になったら、自分に許可→
- それでもだめなら待遇・環境を変える→
- これを繰り返す→
- 「私はOK、あなたもOK」になる
なぜこのような結論になるのか。続けます。
2.交流分析とは
交流分析とは1957年にアメリカのエリックバーンによって提唱された心理療法です。
これは自己分析の手法でもあって、人間関係改善の手法でもあります。
交流分析では幼少期に体験した感情を人生脚本として死ぬまで演じると主張しています。
実はHSPの”いきづらさ”の原因がすでに体系化されていたんです。
- 「今ここ」
- 「私はOK、あなたもOK」
「今ここ」
今ここは、現在この瞬間に焦点を当てることを意味します。
過去や未来にとらわれず、目の前の出来事や自分の感情、感覚に意識を向けることを指します。
過去に経験した感情にとらわれないで、生きましょうという概念です。
「あなたも私もOK」
あなたも私もOKとは人はコミュニケーションを図る上ですれ違いが生じます。
特に会社や学校ではお互いの利害関係が絡んでくると嫌な思いというのは生じるでしょう。
その嫌な思いをした際に発せられる心の構えのことをいいます。
例えば「あいつが悪い」、「私ってだめね」といったセリフから始まる構えのことです。
なぜその感情が生まれるのかといったことを理解し、これは私もあなたもOKだよという場所に着地するためのキーワードです。
3.自我状態(心)
自我状態とは人が何か感じたり、考えたり、行動したりするための心の状態のことです。
大きく分けると3つになります。
記号 | 自我状態 | 説明 |
P | Parent | 「親」の影響を受けた思考・感情・行動 |
A | Adult | 今ここでの状況に反応している「大人」の思考・感情・行動 |
C | Child | 「子供」の思考・感情・行動 |
さらに自我状態は5つに分類することが可能です。
そしてPとCはそれぞれ2つに分かれ、Aはそのままの合計5つになります。
記号 | 5つの自我状態 | ポジティブな側面 | ネガティブな側面 |
CP | CriticalParent (批判的な親) | 厳しい私。信念・価値観・理想を持ち、主張する | 独善的、自分の価値観を押し付ける |
NP | NurturingParent (養育的な親) | 優しい私。思いやりがあって、寛大で世話好き | 過保護やお節介になり、 相手の成長を妨げる場合もある |
A | Adult(大人) | 考える私 。現実的で冷静。物事を論理的に分析できる | 冷静であるが故に 人間味に乏しく打算的 |
FC | FreeChild (自由な子供) | 自由な私。欲求に素直で人間味(ユーモア)にあふれている | 衝動的でわがまま、 幼稚な印象を与える |
AC | AdaptedChild (順応な子供) | 合わせる私。協調的で集団の輪を大事にする。 | 周りの評価を気にしすぎて、対人関係にストレスを抱えやすい。 |
4.交流分析の7つの構成要素
交流分析は相手とどのように関わっているのかを考え、その人の成長を促し、変化させて行くねらいがあります。
そのために必要な7つの構成要素を紹介します。
No. | 構成要素 | 意味 |
① | 自我状態 | P・A・Cのこと |
② | 対話分析 | 相手の自我状態を知り、適切な接し方を理解すること |
③ | ストローク | 相手の存在を認め、認めたことを表すすべての言動のこと |
④ | 人生態度 | 「私もあなたもOK」という構え。 どのような態度で人生を歩むか考えること |
⑤ | 時間の構造化 | ストロークを求めるためにどのように時間を使っているのか分析する |
⑥ | ゲーム分析 | 相手を自分の都合のいいように操作したり、 利用したりすることで始まるパターン。 |
⑦ | 人生脚本 | 自分の人生のシナリオをさかのぼり、本来あるべき自分を取り戻す。 |
これらを総合的に分析して生きづらさを解消していくことを目指します。
5.人生態度とは
人がストレス状態に陥った際に、自分がOKなのかそれとも相手がOKなのかといった構えのことです。
人生態度には4つの構えがあります。
5つの自我状態にはストレス状況にどのようになる傾向があるのパターンがあり、
HSPには自分を責める傾向である、私はOKでない態度をとることが知られています。
これがHSPが生きづらいと感じる大きな要因となっています。
人生態度 | 構え | 説明 | |
(i) | 自己肯定 ・他者肯定 | 私もOK、 あなたもOK | 自分も相手も大切にすることが可能。 交流分析のゴール。 |
(ii) | 自己肯定 ・他者否定 | 私はOK、 あなたはOKでない | 相手より自分が優れている、 相手に対して攻撃・支配的な構え (選民思想につながることも) |
(iii) | 自己否定 ・他者肯定 | 私はOKでない、 あなたはOK | 相手より自分が劣っていると 常に感じていて、 自己肯定感が低くなります。 |
(iv) | 自己否定 ・他者否定 | 私もあなたもOKでない | 相手に対して常に疎外感を 抱いてしまい、劣等感や無気力、 絶望感が強く落ち込みやすい。 |
6.ストロークとは
ストロークとは人との関わる際に生じる、言動や働きかけのことをいいます。
一言でいえば交流と置き換えてもいいでしょう。
そして「人間が生きていくために必要な心の栄養」だと考えてください。
ストロークには2つ種類があります。
プラスのストローク・・・相手を喜ばせ温かい気持ちにさせる マイナスのストローク・・・反対に不愉快な気持ちにさせる
私たちは皆、
プラスのストロークを求め、マイナスのストロークは避けます。
それはそうですよね、よほどの自虐体質でなければ誰も欲しがりません。
あとプラス・マイナスそれぞれに条件付きストローク、無条件のストロークという切り口があります。
まとめるとこのようになります。
スクロールが面倒な場合、次に画像を用意してます。
ストローク | 身体的 ストローク | 言語的 ストローク | 無条件 ストローク | 条件付き ストローク |
ポジティブ (プラス) | ・なでる ・だっこする ・抱きしめる | ・ほめる ・微笑む ・話をよく聞く | 「あなたが存在してくれているだけでいい」 | ・かわいいから好き ・言うことを聞くから好き (○○な場合はOK) |
ネガティブ (マイナス) | ・殴る、蹴る ・武器で脅す ・仲間外れ | ・悪口をいう ・根も葉もない噂 ・けなす ・罵倒する | 「存在を認めない、無視する」 「生理的にムリ」 | ・真面目でないから嫌い ・奇麗でないから嫌い ・頭が悪いから嫌い (○○な場合はNG) |
ストローク(交流)は人が生きていく上で必要不可欠です。
ストロークが不足する状態が続くとマイナスのストロークでも欲しくなり悪循環に陥ってしまうことがあります。
( これをストロークの法則といいます)
さすがの内向型HSPであっても、外からの刺激がなければ1か月も耐えられない可能性があります。
ストロークの法則
自分の心の中にポジティブのストロークがたまっていれば、他人に対してもポジティブのストロークを発することができます。
逆にネガティブのストロークがたまっていると、他人に対してもネガティブな態度を発しやすくなります。
例えば、あなたがお金をたくさん持っていて生活には困っていないとします。
だとすればあなたは相手に余裕をもって接することができるのではないでしょうか。
余裕を持って接することができるとプラスのストロークがたまりやすいです。
逆にHSPはお金を稼ぐために会社で苦しんでいる人もいると思います。
本当は一人でいたいのに会社で働かざるを得ず、どうしても人間関係でストレスを抱えてしまいます。
反対に優しく接したつもりが、予想外の反応を示されてミスを繰り返すといった経験もあるでしょう。
そうするとマイナスのストロークがたまり、自分や他人に対してネガティブな反応をしてしまうことになります。
7.ストロークの交換
HSPもそうでない人もP・A・Cの交流チャンネルを全部持っています。
あなたはそれらのうちどれをよく使いますかという話になります。
ここでは相手にどんな交流方法を行っているかを紹介します。
自分の中にあるP・A・Cを相手のP・A・Cに投げかけていく様子をストロークの交換と呼びます。
そのパターンを取り扱うことを対話分析といいいます。
対話分析 | 説明 | 例 | |
(1) | 相補的交流 (スムーズな交流) | 同じ自我状態でのストローク 平行的交流と呼ばれることもある | P→P、A→A、C→C、P→CとC→Pなど |
(2) | 交差的交流 (ちぐはぐな交流) | 違う自我状態でのストローク 交叉的交流と表記することもある | C→P、A→C、P→Aなど |
(3) | 裏面的交流 (裏に本心が隠れた交流) | A同士の自我状態でのストローク 社交的(表)と心理的(裏)レベル | A⇔A |
相補的交流(complementary transaction)
これは同じチャンネル同士で交流ができているという状態で、うまくコミュニケーションがとれている交流です。
図を見てもらうと伝わると思いますが、矢印が平行になっていることから平行交流とも呼ばれます。
相補というと互いの足りない部分を補うような意味に勘違いしそうですけれど、平行だとうまくできているということです。
交差的交流(crossed transaction)
これは自分のチャンネルが期待した反応ではなく、相手の違うチャンネルからリアクションが返ってきている状態です。
食い違いの交流とも呼べます。
例えば、
上司:「この書類の予算の桁が1つ間違っているぞ」
部下:「そういう言い方は失礼ですね」
上司はP(親)のチャンネルを使って、部下のC(子供)のチャンネルに投げかけました。
上司が期待しているのは部下のCから「申し訳ありません。修正して提出いたします。」というリアクションです。
ところが部下はPのチャンネルから上司のCのチャンネルへ応答したため、この交流は後味の悪い結果となります。
続いて一見すると平行交流ではないかと思いきや、交差的交流の例をあげます。
美和:「このお肉おいしいね」
大輔:「これは但馬牛といってね、・・(うんちく)○○なんだよ。」
美和さんはCのチャンネルで大輔君のCのチャンネルで問いかけました。
意外にも大輔君からはAのチャンネルを使って美和さんのAのチャンネルにリアクションしました。
美和さんの期待するリアクションはCのチャンネルである「そうだね、おいしいね」です。
美和さんは次に「へぇ~、大輔君はなんでも知っているんだね」と愛想笑いするでしょう。
会話例は省略しますけれど、この図も一見並行しているようで交差的交流です。
CからPへ違うチャンネルに問いかけ、リアクションもPからCというように違うチャンネルでの交流となっているからです。
つまりは交流の矢印が平行しているかではなく、会話が食い違っている状態が交差的交流です。
裏面的交流(ulterior transaction)
続いて裏面的交流です。
これは発信した側が相手の複数のチャンネルに対してメッセージを発信する複雑なパターンです。
言い換えると表のメッセージの裏に本来の目的が隠されている交流です。
タイプ | 種類 | 交流の特徴 | 説明 |
表 | 社交的レベル | 顕在的な交流 | 表向きの何の変哲もないメッセージ |
裏 | 心理的レベル | 潜在的な交流 | 言いにくいことを裏側に持たせた本来のメッセージ |
例えば京都の格式ある飲食店でお客にお茶が出されたら、そろそろ終わりにしてほしいという店側からのサインだという話があります。
社交的レベル(表)→飲食店としてのサービスの一環 心理レベル(裏)→次の予約があるのでそろそろ帰って欲しい
これが裏面的交流です。
ただし今はこのような店は少ないと思いますので、あくまで一例です。
HSPは情マイナス(共感性)が強いので、この裏側のメッセージに反応しすぎて疲れてしまう傾向があります。
相手はいい意味でいったつもりが、HSPは裏側に嫌味に感じて後味の悪い経験をした人もいるはずです。
知マイナス(内向性)の要素が優位なHSPの場合、社交的レベルまでの意味しか理解できないことがあります。
心理レベルの相手の裏側の意味がくみ取れず、ここですれ違いが生じます。
まとめると相補的(平行)交流以外はすれ違いが起きやすいということです。
8.時間の構造化
交流分析の提唱者である、エリックバーン氏は「人間は退屈ということに耐えられず”ゆりかごから墓場”まで、自分の一生を6つの時間の構造で過ごす」と主張しています。
その構造とは
- 引きこもり
- 儀式
- 暇つぶし・雑談
- 活動
- 心理ゲーム
- 親密さ
です。
①引きこもり
物理的、身体的にはそこにいても相手とかかわりを持たない時間の構造。
孤立する恐れがあり、相手からのストロークは得られません。
相手からのストロークを得て成長する場面の機会が得られません。
内向性優位のHSPはこの時間を最も多く過ごします。
要するに自分からのストロークによって成長できるのであれば、
最高の時間の過ごし方となります。
誰も取り組んでいない分野の場合、あらたな境地を開拓できる機会が得られます。
②儀式
自己紹介や挨拶などの社交的なやり取りによる時間の構造。
人と深く関わらずとも安定したストロークが得られます。
決まりきったやり取りなので、結末がある程度予想できるものになります。
意プラス(意見価値観)はこの時間の構造を好みます。
特に彼らは伝統や作法を重んじて、冠婚葬祭などの儀式が好きです。
参加すれば真面目に取り組んでいると、彼らに認知してもらいやすくなります。
③暇つぶし・雑談
軽い表面的な会話など、相補的交流による時間の構造。
親密度はあまり高くなく、期待できるプラスのストロークで自身の存在承認を確認できる時間となります。
例えば、井戸端会議などがこれにあたります。
共感性優位のHSPだったりHSS型HSPは好みます。
HSS型は仕事に飽きてくると、誰かとこの時間の構造を求める傾向があります。
④活動
目標達成に向けてどう動くかを話し合い、周りから存在承認を得る時間の構造。
プラスのストローク、マイナスのストロークどちらも行われます。
得られるストロークの密度は高いですが、ストレスも高いです。
いわゆる会社で働いている時間ととらえてください。
⑤心理ゲーム
これは相手を思い通りに操作しようと不快感を生じさせるマイナスのストロークを交換する時間の構造になります。
私や相手に対してOKでないという、裏面的交流を伴ったメッセージを含んだ交流です。
非生産的で不毛な時間の使い方になり、後味の悪い結末になります。
例)夫婦喧嘩などが該当します
⑥親密さ
これはお互いの存在や価値観を承認しあう交流による時間の構造になります。
社交的レベルと心理的レベルのズレがない交流の時間。
「私もあなたもOK」という交流分析のゴールとも言えます。
ここまで到達するにはマイナスなストロークを経験するというリスクが高いけれど、最も報われ癒される時間となります。
HSPを含む情マイナス(共感性)を持つ性格タイプは特にこの時間の構造を好みます。
交流分析では「親密さ」で時間を構造化していくことを目標(ゴール)としています。
「私もOK、あなたもOK」な状態です。
みなさんはどうでしたか。私はほとんどが①引きこもり、あとは④の活動です。
⑥の親密さまで手が回っていないのが現実です。
HSP以外の性格には④活動(仕事)に多く時間を割くタイプがあります。
知プラス(思考論理)・・・過労死するレベルまで達することがあります
意プラス(意見価値観)・・・自分の理想を追求するあまり排他的になる人もいます
彼らの心理的な欲求に『仕事への承認』があります。
ですので、家庭との時間を犠牲にしてまでこの時間の構造に費やす人もいます。
私もOK、あなたもOKとなるよう時間の構造化を検討したいところです。
もちろん①の引きこもりは、私もOKになるためには欠かせないものですのでどんどん活用してください。
①の時間に対して家族や職場の関係者に理解が得られないようであれば、裏切ってでもいいので環境を変える必要があります。
それくらい重要な時間です。
9.人生脚本とは
交流分析では、全ての人がその人特有の脚本をもっています。
大きく分類するとその脚本は6種類あり、
HSPはそのうち2つの脚本をよく使います。
その脚本を演じると、自分を責める性質があります。知らないうちにこの脚本に縛られているのです。
この人生脚本はあなたの行動を支配しているといっても過言ではありません。
そしてあなたは死ぬまでその脚本内容を演じる主演、助演を演じ分ける俳優といえます。
この脚本は幼少期に両親(養育者)から受け取った感情が原因で、どの脚本を選択するかを決定すると言われています。
この選択を幼児決断といいます。
人生脚本は何でできているのかというと禁止令と呼ばれる「やってはいけない」リストです。
注意してほしいのは「やっていい(許可)」リストではありません。
人生脚本の仕組み(幼児決断の選択)
それでは人生脚本とは何で構成されているのか見ていきます。
構成要素には3つの概念があります。
脚本の 構成要素 | チャンネルの方向 | 意味 | |
① | 禁止令・許可 | C→C | 両親(養育者)の自我状態Cから非言語的(無意識)に子供の自我状態Cに送られるメッセージです。ブレーキの役割。 |
② | 拮抗禁止令(ドライバー) | P→P | 両親(養育者)の自我状態Pから言葉などによって子供の自我状態Pに送られるメッセージです。アクセルの役割。 |
③ | プログラム | A→A | 両親(養育者)の自我状態Aからその人のふるまいや言動をモデルとして子供の自我状態Aに送られるメッセージ。 |
①禁止令・許可
禁止令・許可は両親の欲求不満や自己愛、願望や攻撃性などが親の顔色やしぐさから子供に伝わります。
それを受け取った子供が「○○してはいけない」と脚本に書き加えていきます。
例えば、過保護な両親のもとで親が先回りして何でもやってしまう、危ないからやめておきなさいといった態度や言動から
こどもは「成功してはならない」という感情を抱いた場合、禁止令として脚本に書き加えます。
HSPは「成功してはいけない」「目立ってはいけない」「怒りを感じてはいけない」などの禁止令を自分に課しています。
詳細はHSPのトリセツに記載していますので、参考にしてください。
②拮抗禁止令(ドライバー)
禁止令に抵触するとそこから対抗するように「〇〇しなければならない」という禁止令が発せられます。プレッシャーがかかった状態です。
拮抗禁止令は日常生活で何回も経験します。会社や学校で生活していれば必ず体験しています。
HSPは「(自分が)強くあれ」、「相手を喜ばせよ」という衝動に駆られます。
こちらも詳細はHSPのトリセツに記載していますので、参考にしてください。
③プログラム
①禁止令と②拮抗禁止令をもとに形成された人生脚本そのもの。
「今ここ」に対処するためプログラムされたシナリオといってもいいでしょう。
状況によるふるまいや人生を送るための具体的手段を親から教えられたり、真似したりして子供はそれを身に着けます。
例えば、おままごと、ごっこ遊びが挙げられます。
「今ここ」を切り抜ける対処法を学んでいるといえるでしょう。子供は親をよく観察しています。
うかつなことを言うと、子供はそれを生きる術として人生脚本のシナリオにインプットしてしまいます。
ここまでで私たちはいかに両親などから影響を受けて生育したのだと感じるのではないでしょうか。
そして私たちが子供に対して適当に接してしまうと、彼らの人生を大きく左右することに気づきます。
この仕組みは石板に刻まれた経典ともいえるでしょう。消しゴムで簡単に消すことはできません。
でも人生脚本は書き換え(リライト)が可能です。
10.人生脚本を書き換える方法
さて人生脚本は「○○してはいけない」という禁止リストから始まるということを書きました。
これって幼少期に刷り込まれた思い込みです。自主規制した本来の自分ではない状態だといえます。
もちろん法律に反したら罰せられますけど、それ以外はもっと自由に生きていいはずです。
人生脚本で自分に縛りをいれていたら、それは生きづらいのは間違いありません。
どうしたらいいかというと自分が禁止令→拮抗禁止令(ドライバー)の流れを感じたら
自分に許可(アロワー)を出すという方法があります。アロワー→Allower
HSPはストレス状況下では「私はOKでない、あなたはOK」という構えになります。
この「私はOKでない」を気づいたら「私はOK」(許可)という書き換えをすればいいんです。
あと人生脚本は悪いことばかりでなく、いい側面も持っています。
もちろん生きづらさを感じていない場合は書き換える必要はありません。
会社で働いていること自体が自分に「許可」できないのであれば、環境を変えてもいいです。
HSPには禁止令「目立ってはいけない」という最大の難敵が存在します。
HSPの禁止令リストはHSPのトリセツに記載していますので、参考にしてください。
あと誰かに相談すること自体がハードルになっている場合は、まずは一人の時間・空間を確保してください。
そうすることで、徐々に活動のための気力が復活してきます。
今の会社で環境を改善を図り、どうしても無理なら転職やフリーランスという選択肢もあります。
我慢に我慢を重ね、過ごすことほど無駄なことはありません。
本来の自分を取り戻すことが交流分析のゴールでもあり、あなたのゴールです。
まとめ
- HSPを縛る禁止令の存在を認識する→
- 「私はOKでない」になったら、自分に許可→
- それでもだめなら待遇・環境を変える→
- これを繰り返す→
- 「私はOK、あなたもOK」になる
最後に少しコメントすると、
このサイクルを一度だけ実践しても書き換えはできません。
重要なのは④の繰り返す工程です。
いままで生きてきた年数分の脚本をいきなりなかったことにするというのは、
過去の自分をある意味否定する行為だからです。
私は禁止令「目立ってはいけない」の影響で会社で雑談ができなかったのですが、今は何でもありません。
さすがにスピーチは緊張するので苦手ですが、進歩はしました。
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