自己肯定感が低いのは成功しないことを自ら選択しているから
HSPの自己肯定感が低いのは成功体験をしないよう自ら選択・行動しているからです。
自己肯定感を持つためには自信という成功体験の積み重ねが必須です。
実はHSPは「成功してはいけない」という幼少期の思い込みによって成人してからも自らを邪魔していたんです。
HSPは目立つことを極端に避ける傾向があります。目立つ=成功への道を自分から選択しないようにしている。
それでは詳しく見ていきましょう。
自己肯定感が低い原因となる根拠
お前は何を根拠にそんなことをいっているのだという方のために
エリック・バーンというカナダの精神科医を紹介します。
代表的な功績に交流分析という心理学の理論があります。
これはどのように人々が行動し表現するかということについて
P(親)A(成人)C(子供)モデルという概念を使って説明しています。
PはParent親、AはAdultで成人、CはChildで子供を表します。
子供の発達理論にも言及していて「人生脚本」という言葉を聞いたこともある人もいると思いますが、
人間の性格は11歳までには決定するといわれています。
生後3歳までには核となる性格形成が出来上がっていると考えられています。
その期間に両親(養育者)からある感情を味わったのが原因でHSPの性格が決定したというのが私の見解です。
交流分析的人間関係の教科書: 人生脚本を書き換えて理想の自分に生まれ変わる (心理療法)
自分を縛る“禁止令”を解く方法: 見えない「利得」に気づくと、すべての問題は解決する
3歳までになぜあなたがHSPを選択したのかは、こちらも併せてご覧ください。
では理由をお伝えする前に、このサイトで提唱している6つの性格の説明をさせてください。
HSPは
- 知(マイナス)
- 情(マイナス)
を強く持ち合わせています。
①知(マイナス)から見た理由
HSPの構成要素である、知(マイナス)から見た理由は
「成功してはいけない」
という禁止令を自分に課していて
「目立つこと」=「成功してはいけない」といった潜在意識が働いているからです。
言い換えると自分が有能であるという感情を味わいたくないのです。
私はこれを知ったとき愕然としました・・・。
自分の性格がそんな縛りプレーをしているなんてそりゃ自己肯定感を持てないわと思いました。
②情(マイナス)から見た理由
HSPの構成要素である、情(マイナス)から見た理由は
「成功している状態が長く続くと、不安になっていつかは終わるだろう」
という予感をもってしまうのです。
その予感は思い込みなのですけれど、本能的に成功体験にブレーキをかけてしまう傾向にあります。
情(マイナス)は感情と記憶を脳内に強く結びつける傾向にあります。
よく男女が喧嘩すると女性側はよく昔の話を引き合いにして論じることがよくあります。
情(マイナス)は女性に多いのですが、男性のHSPも例外ではありません。
ですのでHSPは成功していても後でよくないことが起きるのではないかと不安になる傾向にあります。
つまりは
成功してはいけない、成功しても長くは続かないだろう
という思い込みがHSPを支配していたのです。
これが自己肯定感が低い原因です。
過去の成功体験にまつわる具体例
つぎにHSPが過去に体験してきた例を私の体験談も交えて紹介します。
知(マイナス)の観点
目立つ=成功することへの恐れ
目立つということは成功することへの恐れを意味しています。
HSPで目立ちたがりという人はあまりいません。むしろ少人数を好みます。
目立ってしまうと自分が有能だという感情に触れやすくなるため、避ける傾向にあります。
私は小学校時代空手を習っていました、体育館で何かの予行練習をしているときの話です。
クラスメイトとふざけていたのが原因で学校の先生は私に対して空手を披露するようにクラスメイト全員の前で言いました。
ものすごい恐怖感を味わいました。今でもトラウマ級の出来事として記憶に残っています。
能ある鷹は爪を隠す
学校の授業で答えを知っているけどあえて手をあげないといった経験はなかったでしょうか。
他のクラスメートは答えを知らなくても手を挙げるクラスメートがいるなか、HSPは答えを知っていて手を挙げません。
あてられてしまったら声を震わせながらしぶしぶ答えます。
私は目立ちたくないから答えを知っていても先生と目を合わせませんでした・・・。
先生はそのことを逆に利用して私を指名してきたりします。
答えがわからないし、手も上げていないときに指名してきたときは殺意を覚えました。
恥をさらすことはHSPも味わいたくないです。
なぜなら恥をかくと成功することへの恐怖感がますます増長され、成人してからも成功体験を得ないよう振舞ってしまうからです。
面接の場面でHSPが自己アピールが苦手なのは自分が有能だという感情を味わいたくないからです。
情(マイナス)の観点
今はうまくいっているが、後で何かよくないことが起こる予感がする
これはことがうまく運びすぎると後で何かよくないことが起きるかもしれないと感じたことがあると思います。
これは情(マイナス)を縛っている思い込みです。
例えば、自分にはもったいないくらいの理想のパートナーと出会えたとします。
関係は非常に良好です。しかし次第に自分が捨てられるのではないかと不安を覚える傾向にあります。
これは思い込みなのですが、その不安感が相手に影響して関係が解消したりギクシャクしだすことなかったでしょうか。
褒められてもいい反応ができない
これも今はうまくいっているけれど、後でよくないことが起きるという思い込みからです。
試合に勝ったり、テストでいい点を取って相手から褒められたのにいいリアクションができなかった経験はないでしょうか。
これは情(マイナス)の思い込みです。
自分なんてどうせという思い込みは捨てて、素直に「ありがとう」を言いましょう。
「勝って兜の緒を締めよ」という言葉もありますが、ここは素直に受け入れましょう。
確かに良いこともあれば、悪いこともあります。悪い方の印象の記憶が感情と結びつきやすいことの典型例です。
私の会社では朝礼が毎日あります。朝礼では司会の当番が1か月に1回程度まわってきます。
私は目立ちたくないので、司会をやることが非常にストレスになっていることを認識しています。
なので毎日今日は当番回ってきませんようにと願っています。
ひょっとすると今日は自分の番かもって悪い予感を持ちますが、結局は違う人が当番だったなんて日は結構ありました。
これはまさに今はうまくいっているが、後でよくないことが起きる予感を持ってしまうHSPの思い込みなのです。
結局HSPはどうしたらいいのよ
成功体験を積むことが重要だという話は冒頭でしました。
成功体験を積むことで自己肯定感が育っていく。
自己肯定感を育てるにはステップというのが必要になってきます。
育てるということばにふさわしい、
自己肯定感の木というのがあります。
これは木の構造になっていて以下のステップに分かれています。
STEP | 部分 | 項目 | 説明 |
⑦ | 環 | 自己有用感 | 自分は世の中の役に立っている |
⑥ | 実 | 自己決定感 | 自分の意思でものごとを決める |
⑤ | 花 | 自己効力感 | 自分にはできる |
④ | 葉 | 自己信頼感 | 自分に嘘をつかない |
③ | 枝 | 自尊心 | 自分には価値がある |
② | 幹 | 自己受容 | ありのままの自分を受け容れる |
① | 根 | 自己理解 | 自分自身を理解する |
自己肯定感を持つためには、
①根と②幹がしっかりしていないと自分という木はしっかり育ちません。
①まずは自己理解。自分は成功してはいけないという、今はうまくいっているが後ではそうならないかもという思い込みを認識する。
認識するだけでいいです。
生活していて自己肯定感が低くなっているかも。って場面に遭遇したら、これってここでいってた、「ただの思い込み、思い込み」って心の中で思うだけで構いません。
決して自分を責めてはいけません。その日、眠れなくなります。
「あの人とは周波数があわなかっただけなんだ」終わり。
③~⑦は今は考えなくていいです。自分に余裕がでてきたら意識してみてください。
特に⑦はHSPが味わいたくない感情の一つだからです。後でじっくり育みましょう。
とにはかくにも①、②から始め、最後に⑦を目指していけばいいです。
絶対に⑦から満たそうとしないでください。
ストレスがかかり、引きこもりからうつ症状に進行する恐れがあります。
もしくは自傷行為に発展する恐れがあります。
余裕がある状態で⑦にアタックできそうな状態になったら違和感があるかもしれないけれど自ら率先して仕事を受けてみる。
または今まで躊躇していた分野にチャレンジしてみる。といった心構えで構いません。
ちなみに知マイナスとは対照的に知(プラス)は⑦を味わいたい心理的欲求があります。
知マイナスと真逆になっていますね。
自己肯定感を低めないために自己肯定感の木を育てましょう
自己肯定感を低めないために自己肯定感の木の①、②を育てる。
- 自己理解・・・成功してはいけないという思い込みを理解する
- 自己受容・・・いまはうまくいってるけど後でうまくいかないかもという思い込みを受け容れる
自己肯定感の木は山に例えてもいいです。
①、②を攻略する。だいぶ余裕が出てきたら③~⑥に挑戦。最後に⑦にアタックし、頂上を目指す。
ステップごとに成功体験を積み上げる。
このようにして自己肯定感を高めてください。
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