苦沙弥(くしゃみ)です。
前回の更新から、3年もの期間が経過してしまいました。
その間、就労移行支援所(就職までの道のりをサポートする福祉サービス機関)に通って
就職活動をしていました。
現在は就職し、ブログを書く余裕がでてきたので再開します。
今回のブログテーマは、あなたがHSPに生まれた理由です。
あなたがHSPに生まれた理由
あなたがHSPで生まれた理由は、
幼少期に親(養育者)から受け取った感情
が原因と言われています。
根拠は交流分析と呼ばれる心理理論をベースにアプローチしています。
なぜそう言えるのかは、HSPのトリセツで書いています。
幼少期に親(養育者)から受け取った感情は
- 成功してはいけない
- 怒ってはいけない
の2つの感情です。その他にもありますが、ここでは代表的なものを取り扱います。
そのうち、HSPが成立する性格は
- 内向性
- 感受性
この2つのタイプを持ち合わせている場合だと定義しています。
内向性は
・成功してはいけない
という感情、
感受性は
・怒ってはいけない
という感情に対応しています。
ここでいったん整理すると、HSPが幼少期に受け取った感情は以下の様に対応しています。
HSPが受け取った感情と性格タイプ
HSP | 幼少期に受け取った感情 | 性格タイプ |
---|---|---|
内向性 | 成功してはいけない | 知マイナス |
感受性 | 怒ってはいけない | 情マイナス |
幼少期にあなたが
この感情を味わったがために性格が決定し、
HSPになったと考えられます。
根拠となる人物・理論
HSPという言葉は、エレイン・アーロン博士が提唱しているのはご存じだと思います。
本家本元がいるのに
「おまえは急にへんなことを言い出して何をいっているのだ」
とお叱りを受けるかもしれません。
しかし今回の私の主張は、エリックバーンという精神科医の理論からきています。
エリックバーンは1950年代に、子供の発達理論や交流分析という心理療法コミュニケーション理論を確立した人物です。
心理学に詳しい方なら、「人生脚本」、「交流分析」といった言葉を聞いたことがあるかもしれません。
その理論を学んでいたら明らかに、HSPの特性と一致することに気がつきました。
エリックバーンの紹介
エリック・バーン(Eric Berne、1910年5月10日 – 1970年7月15日)は、カナダ出身の精神科医。1957年に交流分析(Transactional Analysis:TA)を提唱した。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%B3
交流分析とは
交流分析(こうりゅうぶんせき、Transactional Analysis,TA)とは、1950年代後半に、精神科医エリック・バーン(Eric Berne)によって提唱された一つの心理学パーソナリティ理論である。人格と個人の成長と変化における体系的な心理療法の理論である。応用範囲は広く、ソーシャルワーカー、警察官、保護観察官、宗教職者などのカウンセリングで用いられる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%A4%E6%B5%81%E5%88%86%E6%9E%90
交流分析はこちらの本がわかりやすいです。
では、親から受け取った2つの感情を詳しく書いていきます。
親から受け取った2つの感情の例
ここからは幼少期に味わったとされる、2つの感情の具体例を挙げていきます。
交流分析では、3歳までにベースとなる性格が決定されると言われています。
人間は生まれてすぐは無防備です。
どうやって生き残る術を学ぶかと言えば、親です。(親がいない場合は、養育者)
親からの接し方、しぐさや態度、言葉、雰囲気などから学んでいると考えられています。
ではどんな場面から親からの感情を受け取るのでしょうか。こんな場面です。
成功してはいけない
まずは、HSPの内向性の側面です。
例えば、子供がミルクが欲しくて泣いていたとします。
泣くことによって、ミルクがもらえたなら成功です。
しかし、ミルクがもらえなかった。理由は様々考えられるでしょう。
無視された、めんどくさいリアクションをされた。もしくは、泣くことを抑えつけられた。
もしくは親が先回りして、泣く機会が与えられなかった。などが挙げられます。
要は、「自分が目立ったことで相手の気分を害した」ネガティブな感情を抱いたならそれが全てです。
泣いてアピールすることは、赤ちゃんにとっての成功体験です。
ところが、成功しようとアピールしたことでネガティブな感情を味わうと、
「成功する」感情を味わることは生き残るうえで有効でないと決断します。
これを幼児決断と言います。
つまり、自分が目立ったことで相手の気分を害するなら、成功感情を味わうことを禁止するようインプットされます。
これが親から味わった「成功してはいけない」感情です。
幼少期のこれらの体験は、「成功してはいけない」感情として大人になっても禁止事項となります。
交流分析で、禁止令と呼びます。
幼少期の体験がきっかけになって成人してからも、「知マイナス(内向的)」の性格が維持されるのです。
一般的には幼少のころ親があなたに対してこんな接し方をしていなかったでしょうか。
親が何でも先回りしてやってしまって、あなたがものごとを最後までやり遂げさせないような環境だった
あなたが何か成功しても軽視(無視)する、からかう(馬鹿にする)、話を聞き入れない
要するにあなたが自分を必要されていないと感じたらどんな場面でも該当します。
それが不要感となって自分はさほど重要でないし取るにたらない存在だと思い、
目立つと相手の気分を害する恐れから一人で過ごすことが心の栄養となるのです。
これは私の体験談です。
当時私の両親は共働きで、燃料店で働いていました。
燃料店というのは冬の時期がものすごく忙しいです。
私は事務所(職場)の2Fで一人寝かされていて、私が泣いたら面倒を見に来るといった環境だったそうです。
両親は忙しいので私が泣いていても、気づかないことも度々あったと思います。
私はさほど重要な存在ではないんだと、潜在的に感じ取った可能性があります。
怒ってはいけない
次は、HSPの感受性の側面です。
どんな場面で親から感情を受け取るのでしょうか。こんな場面です。
両親がしょっちゅう喧嘩をしていた
その姿をみて恐怖を覚えた
あなたが怒りを泣いて表現したのにも関わらず、親がネガティブな態度をとった。 (無視・叱責・抑え込み)
そうすると怒りを表現してはいけないんだと感じて、次第に怒りを抑えるようになり
「怒ってはいけない」感情が禁止令となります。
大人になっても「怒り」に触れてはいけないため、相手を喜ばせようと振舞うようになるのです。
外向的なHSPといきづらさの要因
話はかわるのですが、外向的なHSPという方がいます。
これは情(マイナス)の性格が1番目に強くあらわれ、
その次に知(マイナス)の性格が強くあらわれた人が該当します。
これを私は感受性優位のHSPと呼んでいます。
外向的なHSPは感受性優位のHSPです。
逆に内向的なHSPは知(マイナス)が強くあらわれ、
その次に情(マイナス)の性格が強く表れた人が該当します。
これを私は内向性優位のHSPと呼んでいます。
参考:知マイナスとは
参考:情マイナスとは
我々が生きづらいと感じている主な原因は
「知(マイナス)」の性格が強くあらわれることだと考えています。
なぜかといいますと「知(マイナス)」の特徴は内向的だからです。
HSPではない内向型の性格の人でも、この性格の取り扱いに苦戦するため、
生きづらいという話をよく聞きます。
HSPの性格が決定する順番
ところで知(マイナス)、情(マイナス)の性格を決定する順番ってあるのでしょうか。
答えはあります。
例えば生後3か月までに
-
(A)成功してはいけない
(B)怒ってはいけない
のうち(A)成功してはいけないという感情を先に味わったとします。
すると知(マイナス)の性格が一番強くあらわれることになります。
そのあと、3歳くらいまでの間に
(B)怒ってはいけない
という感情を味わうと
情(マイナス)の性格が2番目に強くあらわれることになります。
つまりは感情を味わった順が
(A)→(B)となれば内向性優位のHSP
(B)→(A)となれば感受性優位のHSP
となります。
どちらのタイプか気になる方は、診断できるページを用意していますので
こちらを参考にしてください。※回答時間の目安は45分です。
診断結果とHSPのタイプ
診断結果 | どちらのHSPか |
---|---|
HSP(内向的) | 内向性優位のHSP |
HSP(エンパス) | 感受性優位のHSP |
幼少期の記憶なんて覚えていないんですけど
とはいっても幼少期の記憶を鮮明にもっている人はHSPといえども多くはないでしょう。
ですのであなたの潜在意識で、
そのように感じ取ったというのが正しいと思います。
実は(A)、(B)以外にも性格を決定づける4つの感情が存在しています。
その感情を味わうとHSPとは別の性格が形成されるのです。
ちなみに(A)、(B)以外にどんな感情があるのかというと他には
- 子供のように泣きわめいてはいけない
- 大人になってはいけない
- 人に近づいてはいけない
- 人を信用してはいけない
というのがあります。
交流分析では、性格は11歳までには決定するといわれています。
この時期は親のサポートがなくてはならないため、自分の性格を意図的に選択することはほぼ困難です。
私はこの事実を知って親を怨んだこともあります。
しかし親は私を育てるために必死(構っていられない時期)だったため、
いまではHSPの特性をどうやったら活かせるのか、
その方向に集中した方が幸せに生きられると考えています。
HSPの性格を弱める方法もあるにはあります。
それはかなりの精神的ストレスがかかるので、ありのままに生きることにしています。
HSPが大人になるまでの過程
HSPに生まれたきっかけは幼少期にあったと書きました。
ところで、HSPが大人になるまでの過程に、こんな場面がなかったでしょうか。
親にも気を使う
なぜならHSPの禁止令は自分がしたいことよりも、相手を優先する性格傾向だからです。
そうすると、極端に「相手に迷惑をかけることを避ける」行動をとることがあります。
それは以下の理由からです。
HSPが相手に迷惑をかけたくない理由
性格タイプ | 相手の気分を害したくない理由 |
---|---|
知マイナス (HSP) | 自分が目立ったことで |
情マイナス (HSP) | 自分や相手の怒りに触れることで |
HSPの相手に迷惑をかけたくない衝動は、以下の場面で困る可能性があります。
- 両親と腹を割って話せない
- 自分の意見や要望を主張しにくい
- 仕事の相談や報告をためらう
- 公共の場での配慮が過剰になる
- 友人や家族に頼れない
- 頼み事を断りにくい
HSPの内向性には、自分の本心を悟られたくない衝動もあります。
そうすると、親にも気を使い過ぎて悩み事を自分の内に秘めてしまうでしょう。
家族から一体なにを考えているのか伝わらず理解されないこともでてきます。
私は、理解されなくてもOKだと考えています。
参考:親にHSPを理解されないのは当たり前【気にしなくてOK】
ここまで親にも気を使うことから、HSPは反抗期がなかったと考えられます。
ここでは反抗期がないことのメリットとデメリットを挙げます。
反抗期がないことのメリット
HSPに反抗期がないことのメリットとして以下が挙げられます。
良好な親子関係:
親と良好な関係を築くことに意識が向いているため、家庭内での対立が少ないです。
ただし、主張がなさすぎることでの対立はあるかもしれません。
穏やかな性格:
大人しく穏やかな性質で争いを好まないため、相手に対してストレスが少ないです。
自分に対してはこの限りではありません。
続いてデメリットです。
反抗期がないことのデメリット
反抗期を経験した子供は、自分自身をしっかりと持ち、自立した大人になる傾向があります。
一方で、反抗期を経験しなかった子供は、親との関係は良好でも、自立心や社会適応力に課題を抱えることがあります。
どちらの場合も、それぞれの特性に応じたサポートや環境作りが重要です。
デメリットとしては以下が考えられます。
相手に依存的になる:
相手の気分を害することに意識が向いているため、相手の意見を尊重する傾向があります。
自分には相手と違う意見があっても、たまには自分を優先してもいいはずです。
日和見的な行動:
自分が少数派の考え方で、相手の考え方が多数派の場合、同調しないと相手の気分を害する恐れからつい流されてしまいがちです。
自分が本当にやりたいことを我慢してしまう:
親から固く禁止されている場合、親を裏切ってでも決断することができない可能性があります。
親を喜ばせようとするあまり、手放すことを余儀なくされたHSPもいるでしょう。いつしか自分の本当にやりたかったことを見失ってしまうかもしれません。
これらは自分にやってもいいと許可を与えてください。
交流分析では、このような性格傾向を人生脚本という言葉で表現しています。
禁止令は、幼少期に自分で勝手に禁止しただけです。
それならば、解除することも自分でできるはずです。
詳しくは以下の記事で解説していますのでよろしければご覧ください。
まとめ
ですので幼少期に次の感情を味わった
- 成功してはいけない
- 怒りを感じてはいけない
これがあなたがHSPとして生まれてきた理由です。
これらは幼少期に自分で禁止した思い込みです。
解除するには、自分にやってもいいんだと許可をすることで対応可能です。
もっと詳しく知りたいかたは、こちらにすべて解説しています。
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