なぜHSPは一人になりたいのか【幼少期のある感情がきっかけ】

HSP

(1)HSPが一人になりたいのは

 なぜ?

(2)一人になれない時、

 どうしたらいいの。

(3)オススメの

 一人の時間の過ごし方は?

この疑問に答えます。

実はHSPが一人になりたい理由は、

幼少期に自分に刷り込んだ「①成功してはいけない」、「②目立ってはいけない」の禁止事項を守る仕組みがあるからです。

①、②の禁止事項の仕組みは、幼少期に両親(養育者)から受け取った「ある感情」がきっかけです。

その感情とは「成功してはいけない」です。

HSPの心のメカニズムを認識すると、生きづらさが軽減します。

本記事の内容
  • 一人になれないと
    強制引きこもりモードに
  • 一人になりたいなら
    スキマ時間を作ろう
  • おすすめの過ごし方は一人ドライブ

HSPは感受性と内向性が強くあらわれた人です。

この二つの性格のうち、内向性が強いと一人の時間を必要とします。

HSPの内向性は「成功してはいけない」という禁止事項を自分に課しています。

「①成功してはいけない」は本丸で、「②目立ってはいけない」などの禁止事項が門番の役割を果たしています。

①成功の感情に触れないよう、②注目されることを避けることで門番がガードする。

目立つことは成功につながるから、目立たないようにしよう。

つまり、「目立ってはいけない」を守るため、一人の時間を過ごそうとするのです。

以上HSPの内向性が一人になりたいと感じる理由になっています。

結論、HSPがもつ内向性は禁止事項「目立ってはいけない」を守るため、一人になりたいのです。

本記事を読むことで、HSPの一人になりたい心理がわかります。

私は内向型HSPの当事者として、40年以上すごしてきました。

そして、交流分析という心理理論を学び、

HSPについて生きづらさを軽減するための情報を発信しています。

幼少期に自分に刷り込んだある禁止事項が、HSPの性格を形成し

生きづらさを生み出していることを知りました。

交流分析では人の性格を人生脚本で表現します。

HSPは6つある脚本のうち、2つを多用します。

この2つの脚本を多用するため、

HSPで生きづらいと感じる場面が多くなります。

一人になれないと強制引きこもりモードに

HSPの内向性は、一人になれない期間が増えると、引きこもりになります。

幼少期に味わったある感情「成功してはいけない」が一人になることで守られるからです。

HSPが幼少期に味わったある感情は、次のようなものです。

HSPが幼少期に味わった感情

(内向性)

  1. 成功してはいけない
    =競争・勝ち負けを避けるように
  2. 目立ってはいけない
    =目立つことは成功につながる

詳細はあとで触れます。

親から受け取った感情がHSPに

そもそもあなたがHSPになったのは、

交流分析によれば幼少期に親(養育者)から味わった「ある感情」がきっかけとされています。

その感情とは

HSPが幼少期に味わった感情
  • (内向性)成功してはいけない
  • (感受性)怒ってはいけない

です。

※「怒ってはいけない」に関しては、今回テーマがちがうため割愛します。

根拠は交流分析という心理理論からアプローチしています。

交流分析について簡単に説明しますと、1950年代後半に、

精神科医エリック・バーンによって提唱された心理理論です。

彼は「人間はゆりかごから墓場まで、人生脚本を演じ続ける」と主張しています。

自分自身の人間関係や認知傾向を知り、対人関係の問題を解消したり、

トラブルを回避したりするための心理療法になります。

HSPの生きづらさは、すでにエリック・バーンによって浮彫りになっていたんです。

HSPを内向性と感受性に分解する

あなたが3歳までに両親から受け取ったある2つの感情がHSPになったと考えられます。

大人になってもその感情を味わうことをしないよう、人生脚本を忠実に演じつづけます。

これに気づかないと生きづらさは死ぬまで続くことになります。

人生脚本は6種類あります。

HSPは自分を責めやすい、2つの脚本を多用しています。

自分を責めやすい理由に関しては、こちらを参考にしてください。

話を戻します。

HSPは2つの人生脚本を多用すると言いました。

どんな脚本なのかというと、内向性と感受性です。

一人になりたい理由は、HSPを感受性と内向性に分解するとシンプルになります。

※今回は感受性については取り扱いません。

HSPの人生脚本

6種類ある人生脚本のうち、HSPがどこに該当するか示します。

人生脚本HSPとの関係性
Aなし
Bなし
Cなし
D(感受性)あり
E(内向性)あり
F(HSS)HSS型はあり
HSPと人生脚本

人生脚本の構成

人生脚本は禁止令、拮抗禁止令、プログラムという構成になっています。(すべての人生脚本で共通)

人生脚本の構成説明
禁止令「〇〇してはいけない」
ブレーキの役割。
拮抗禁止令「〇〇しなくてはならない」
アクセルの役割。
プログラムいまココに対処する
実際の行動
人生脚本の構成

禁止令「〇〇してはいけない」に違反しそうになると、
拮抗禁止令「〇〇しなくてはならない」という衝動に駆られます。

例えば、前を走っているクルマがブレーキだけで避けられなかったら、アクセルを踏むしかないですよね。そうやって事態に対処していると考えてください。

禁止令、拮抗禁止令台本だとすると、プログラム俳優(あなた)に相当します。

つまりは禁止令、拮抗禁止令は台本に書かれているだけで、台本通り演じなくてもいいことになります。

台本通り演じると不都合(生きづらさ)が生じることもあります、アドリブもしていいんです。

内向性の禁止令

HSPはなぜ、「成功してはいけない」のか。

例えば、あなたが幼少期に成功体験を両親にアピールしたとします。

ハイハイをして成功したことを両親にアピールした、もしくは”おむつ”を替えて欲しくて泣いてアピールしたとします。

ところが、両親はそれに関心を示さない。もしくは面倒を見てくれなかった。

などの経験をすると、自分は成功をしてはいけないんだという感情を味わいます。

成功をアピールしたけど、相手にしてもらえなかった、

もしくは成功を否定する言葉や態度で対応された。

あくまで一例です。

成功をアピールしたけど期待するリアクションが得られず、

「成功してはいけない」感情として受け取ったのです。

すると、成功することを避けるよう禁止するルールを自分の人生脚本に刻み込むのです。

禁止するルールは、大人になっても有効です。

内向性の人生脚本内容
禁止令(メイン)「成功してはいけない」
禁止令(サブ)「目立ってはいけない」
その他はこちら
拮抗禁止令「自分が強くなくてはならない」
プログラム(本心は一人の時間、
空間を過ごしたい)
内向性の人生脚本

内向性の人生脚本のシナリオはこうです。

禁止令「成功(アピール)してはいけない」

禁止令に抵触しない限り、

プログラム「誰とも関わらず一人で過ごしたい」

「成功してはいけない」という本丸を守るために、「目立ってはいけない」が門番として構えています。

成功する感情を味わうことがないよう、禁止令「目立ってはいけない」が阻止するのです。

これらの禁止令は正直、生きづらいです。自己肯定感を自分で下げる行為をしているからです。

一人になることで、「成功してはいけない」「目立ってはいけない」を守ることができます。

とはいえ、日常生活で目立たないで暮らせる場面は限られています。学校に行ったり、会社で働いたり。

目立つ場面はいくらでもあります。目立つと成功の感情を味わうことになってしまう。

禁止令に抵触しそう・・・。そんなときは

拮抗禁止令自分が強くなくてはならない」が作用します。

会社で仕事することは、成功の積み重ねです。

「成功してはいけない」の感情に触れないよう、代替手段として「自分が強くなくては・・・」のモードになります。

自分が強くなることで、成功という感情に対抗するのです。

禁止令に抵触しているため、「自分が強くなくては・・・」は、ストレスを伴います。

「一人になる時間が不足」すると、「自分が強くなくては・・・」も限界を迎えます。

これ以上やると、成功の感情に触れてしまうため、一人の時間を過ごそうと強制的に引きこもりモードに突入します。

HSPが一人になりたい理由は

内向性の禁止令に対応しています。

もう一度、振り返ってみましょう。

HSPがもつ内向性の禁止令
  • 成功してはいけない
    =目立つことも成功につながる
  • 目立ってはいけない
    =目立たないよう一人の時間を過ごす

①成功してはいけない

交流分析では「成し遂げるな」と表記されることもあります。

自分が成功しそうになると、「成功するのが怖い…」「幸せになるのが怖い…」と感じ、ソワソワと落ち着かなくなってしまう。

例えば、幼少期に「最後までやり遂げることが出来ない」とあなたを値引くような言動があった、

「親がなんでも先回りして、子供にやり遂げさせない」と子供が決断する。

これを幼児決断といいます。

大人になっても触れて欲しくない(禁じる)感情を本物の感情といいます。

つまりは「決して○○できない」、「私はどうせ失敗する」「私はいつも勝てない」と思い込んでしまう禁止令が「成功してはいけない」です。

②目立ってはいけない

交流分析では「見えるな」と表記されることもあります。

「親に見つかると暴力をふるわれ危険だった」や、「出来るだけ見えないようにして居たほうが良い」と受け取った場合などに決断する。

なるべく人から見られないように、「空気に紛れるように、人畜無害に」ふるまう。

例えば、学生時代の集合写真はいつも端。バスの座席やセミナー会場では目立たない場所を好むようになります。

本当は素の自分を知って貰いたいが、本心を打ち明けられず「本当の自分を誰も分かりっこない」という思いを持ち続けていないでしょうか。

HSPの内向性は幼少期に味わった①「成功してはいけない」感情から禁止令を自分に課した

②「目立ってはいけない」禁止令は、「成功してはいけない」に触れないよう門番のようにガードしている。

目立つことは、成功につながる。

一人の時間を過ごせば、②に違反しないし、①にも違反しない。

以上HSPが一人になりたい理由になります。

一人になりたいならスキマ時間を作ろう

一人になれなくて悩んでいるHSPにできる対策を挙げます。

場面ごとに番号をわけました。

スキマ時間はかならず作れます。どうにか一人の時間を捻出してください。

HSPが一人になれない場面
  • ①会社で働いている場面
  • ②家族といる場面
  • ③子育て中の場面

私が聞いたり、実際に行った対策です。

一人になれないときの対策
  • ① 個室トイレで一人になる
  • ②-1 一人暮らしをする
  • ②-2 だんぼっちで一人になる
  • ③ 時短家電や託児所を活用

① 個室トイレで一人になる

何度もトイレに行くと、周囲の視線が気になるかもしれません。

私はコーヒーをわざと飲んで、利尿作用を利用してトイレで5分くらい一人になる時間を確保していました。

生理現象なので、仕方ないだろと言わんばかりに90分に1回は行っていました。

会社で働いているとき、昼ご飯はミニストップが便利です。理由は店内で食事がとれるからです。

気になるのは、一人で食べている姿を同僚に目撃されることです。「一人で寂しくランチかよ」と思われたかもしれません。

でも人からどう思われようが、一人の時間さえ確保すればこっちの「勝ち」です。

②-1 一人暮らしをする

家族がいて、一人になれないなら一人暮らしがいいです。実家にいると、家事の手伝いや必要以上にこき使われます。

私はたまらず、家をでたことがあります。内向性が強いと、人の少ないローカルエリアを一人暮らしの候補地にする傾向があります。

しかし、注意が必要です。なぜなら、ローカルエリアは地元民のつながりが強い場合があるからです。

頻繁に会合にでることになったり、野菜のおすそわけ等でプライバシーがない可能性もあります。

②-2 「だんぼっち」で一人になる

内向性が強いと、家で過ごすことが多くなります。実家で生活していると、家族からうるさいこと言われませんか。

私は、「だんぼっち」という段ボールでできた部屋を組み立てて避難していたことがあります。パソコンを持ち込んで、自分に集中していました。

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③ 時短家電や託児所を活用

子育て中の場面で、一人になれないことが挙げられます。

HSPは誰かに相談が苦手、完璧主義が重なって、頑張りすぎてしまう傾向があります。

手を抜いてもいいです。こういうこというと、ポテサラ論争があるじゃないかという意見がでてきます。ポテサラ論争は無視です。

ポテサラ論争とは
子育て中のお母さんが、スーパーでポテサラを買おうとして、見知らぬオジサンから手を抜くなと言ってきた件が印象的です。おそらく見知らぬオジサンは、料理しないので気にしなくてOKです。

「ポテサラ論争」が示す深い闇 怒鳴る高齢男性の孤独 ダイバーシティ進化論(水無田気流) - 日本経済新聞
先日ツイッターに、総菜コーナーでポテトサラダを買おうとした幼児連れの女性が、高齢男性から「母親ならポテトサラダくらいつくったらどうだ」と言われるのを目撃した、というつぶやきが投稿された。これに13万件を超えるリツイートがつき「ポテサラ論争」...

もし、予算があれば時短家電や託児所を活用して一人の時間を捻出するのはどうでしょうか。

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会社で働いていると1日の半分近くは時間を過ごすことになります。

なので細切れでも一人の時間を確保すると、心の回復が見込めます。

あと、HSPは相手を優先して我慢する傾向があるので、できるだけ人を頼ってラクしてください。

おすすめの過ごし方は一人ドライブ

私がオススメする一人の過ごし方は、一人ドライブです。

自分の気に入った曲をかけながら、同乗者に気兼ねなく好きな場所に自分のペースで楽しめるからです。

一人ドライブのメリット
  • 同乗者の指図をうけなくて済む
  • 好きな曲をかけられる
  • 予定変更も自分のペースで楽しめる

その他、HSPにオススメする一人の過ごし方を挙げます。

HSPにオススメする一人の過ごし方
  1. 一人になって内省する
  2. 何もしない

①一人になって内省する

HSPの内向性は内省する特徴があります。長期記憶から過去のできごとを振り返る才能があります。

昔のことをよく覚えていたりしないでしょうか。私がオススメする一人の過ごし方は「内省」です。

HSPは反省より内省がおすすめ
一人反省会はおすすめしません。 なぜなら反省はネガティブな感情を伴うことが多く、HSPは自責の念のわなに引っ張られる傾向があるからです。

例えば、定期的に過去の黒歴史を振り返って自分を責めるパターンです。

反省と内省の違い

反省:過去の失敗から学び、再発を防ぐこと
内省:自分自身をより深く理解し、
    自己成長につなげること
 反省内省
対象過去の行動や言動で
間違っていた点など
自分の考え、感情、
価値観などの内面全体
目的過ちを正し、
再発を防ぐ
自己成長につなげ、
より良い自分になる
感情後悔や自責などの
ネガティブな感情を伴う
必ずしも
ネガティブな感情を
伴うわけではない
反省と内省の違い

②何もしない

余裕がない時は、何もしないをオススメします。何もしないといっても「壁のシミをじーっと見る」わけではありません。

YouTubeや漫画、映画をみたり、好きなことに時間を割くことを意味します。

一日何もしなかったことで、自分を責めることはやってはダメです。

HSPの内向性は特殊だと考えてください。私の場合は、変った人なんだと認めるようにしています。

何もしないことが、有意義なのです。どうしても気が進まないなら、簡単に済ませる用事をその日に一つだけ実施してください。

私はこれを「プチ引きこもり」と呼んでいます。HSPが引きこもりたくなる心理は、こちらの記事でも取り上げています。

HSPが一人になる時間が確保できた場合は、一人ドライブをおすすめします。

まとめ

本記事のまとめです。

HSPが一人になりたいのは、次の禁止令が影響している。

HSPがもつ内向性の禁止令

(内向性)

  1. 成功してはいけない
    =競争・勝ち負けを避けるように
  2. 目立ってはいけない
    =目立つことは成功につながる

HSPが一人になれない時の対策は、

一人になれないときの対策
  • ① 個室トイレで一人になる
  • ②-1 一人暮らしをする
  • ②-2 だんぼっちで一人になる
  • ③ 時短家電や託児所を活用

HSPにオススメする一人の過ごし方は、

HSPにオススメする一人の過ごし方
  1. 一人ドライブ
  2. 一人になって内省する
  3. 何もしない

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