HSPとうつ(鬱)の違い【結論:気質と病気です】

HSP

HSPと認識しているあなたはもしかして自分がうつなのではないか
、もしくはうつになりやすいと感じていないでしょうか。

ここではっきりさせておきたいのはうつは病気で
HSPは病気ではありません。

HSPは先天的、うつは後天的。

しかしHSPは限りなくうつに近い印象はあります。

うつ病の基準とHSPを比較

うつの診断基準とHSPの特長を比較してみることで違いがはっきりすると思います。

そこでうつ病のチェック項目とHSPを比較してみました。

うつ病の基準は以下の資料をもとにします。

「うつ病・抑うつ状態と、うつの違いってなあに?」

参考:https://www.komuro-clinic.com/wp/wp-content/themes/komuro/img/relation/201602_02.pdf

以下の項目が①から②まで当てはまっていて

  • 1日中、毎日、2週間以上継続する
  • 5つ以上当てはまる

の場合はうつ病、4つ以下当てはまる場合は抑うつ状態です。

スマートフォンの場合は水平に傾けるか右にスライドしてください。

No.チェック項目うつ病HSP
気持ちが落ち込む
物事に興味がなくなる、楽しめない×
集中力や注意力が低下する×
人生の敗北者(負け組)、
家族に申し訳ないと気に病む
価値がない人間だと自分を責めてしまう
些細なことで将来に絶望感を持ってしまう
自分の体を傷つけたり(自傷行為)、
死んだ方がいいと思ってしまう。
寝られない、睡眠中に目が覚める(睡眠障害)×
食欲がない×

※△はストレスを感じると〇に近づくことが多い

①気持ちが落ち込む

HSPでなくとも気持ちが落ち込むことはあります。
しかしHSPはその状態から永く悩んでしまって、復帰するのに時間がかかる違いがあります。

これはHSPが持つDOES(ダズ)特性が作用していると考えられます。

  • Depth of processing ・・・物事を深く掘り下げて処理する
  • Overstimulation・・・ 疲れてしまうほど刺激に対して過敏
  • Emotional response and empathy・・・感情的に反応して共感する
  • Sensitivity to subtleties・・・物事の機微に対して高い感度がある

②物事に興味がなくなる、楽しめない

本来HSPは知的好奇心が旺盛です。
誰も興味を示さないようなマニアックな事柄に対しても異常なまでに好奇心がある傾向にあります。

宇宙に関することや歴史、スピリチュアルな世界など日常生活であまり取り扱わない分野に関して細かく調べたり、想像にふけっていることがしばしばあります。

HSPが一人の時間、空間を好む傾向にあるからこそ成せる才能の一つです。

なのでこの状態はまさに緊急事態です。
HSPがこの状態に陥った場合は真っ先にうつ病の疑いがあると考えていいです。

③集中力や注意力が低下する

もともとHSPは注意力は高いです。
それはHSPが危険に対して過度なまでに敏感だからです。
普段から車の運転にしても、街を歩いていても常に周囲に気を払っています。

では集中力はどうでしょうか。
これにはある条件が整っていないと持続できません。

それは周囲からの視線を感じないかどうかです。
周囲からの視線が気になっているとHSPは途端に集中力が切れてしまいます。

逆に一人になった時、物凄い集中力を発揮するのです。
なので会社で肩を並べて仕事するといったスタイルには向いていません。

一人の時間と空間を確保しているにも関わらず、集中できないといった状態が続くようであればこれもうつ病の疑いがあると言っていいでしょう。

④ 人生の敗北者(負け組)、家族に申し訳ないと気に病む

これはHSPにはよくあることで、ストレスがかかると自分がダメなんだと考える傾向にあります。非HSPは相手を責めますが、HSPは自分を責めます。

これを利用してくる人もいるので、距離を置いた方が身のためです。
さらに悪化してうつ病の入り口へ入る前にきっぱり断りましょう。

この際、断ったら相手に悪いかもと考えてしまいがちです。
うつ病になると損をするのは自分だけですので嫌われる勇気が必要です。

⑤価値がない人間だと自分を責めてしまう

これもHSPがストレスを抱えると頻繁に表れる現象です。
したがってうつ病なのではないかと勘違いしてしまいがちです。

自分は自分、他人は他人と受け入れることが重要です。
しかし自己肯定感が低い傾向にあるHSPはうまく切り替えができません。

価値がないかは死ぬまでわかりません。
人生何が起きるかわからないからです。

HSPであるあなたが価値がないと思い込んでいても、
あなたが今後作り出した作品や文章で人が感動するかもしれません。

⑥ 些細なことで将来に絶望感を持ってしまう

HSPは漠然と不安感を抱きやすい性格です。

他人と比べてしまうことが原因として挙げられます。

ストレスを抱えていなければ、将来に絶望感を持ちません。

普段からストレスを抱えているとHSPはうつ病と見分けがつきにくくなります。

なので⑥以外の診断基準と照らし合わせてうつ病の疑いがないか考慮する必要があります。

⑦ 自分の体を傷つけたり(自傷行為)、死んだ方がいいと思ってしまう。

ここまでくると流石に危険だと普通は考えます。

ところがHSPには感受性優位のタイプと内向性優位のタイプが存在していて感受性優位のHSPにはストレスが長期間かかってしまうと自傷行為をしてしまうのです。

なのでうつ病とHSPの違いがみられず、HSP自身がうつ病と気づけない可能性があります。

なので⑦以外の診断基準と照らし合わせてうつ病の疑いがないか考慮する必要があります。

⑧ 寝られない、睡眠中に目が覚める(睡眠障害)

HSPには睡眠時間は人より長い人もいるようです。
例えば8時間以上必要だなんて声もあります。

夜中の2時~4時の睡眠が深くなる時間帯に起きてしまうとなると疲れがとれません。案の定、その日仕事がはかどりません。

HSPはカフェインに強く反応する傾向があるので、コーヒーを飲んでカバーする人もいます。

この方法で持ちこたえられれば問題はありません。

しかしこのような睡眠障害が2週間以上継続するようなら注意が必要です。

例えば

  • なかなか寝付けない
  • 夜中に何度も目が覚める
  • 早朝に目が覚める
  • 眠りが浅い

こんな状態になったら、これもうつ病の疑いがあります。

⑨食欲がない

もともと食が細い人は除外します。

HSPは感覚的な心地よさを重視するので、食べることは何より好きという人が多いです。つい食べ過ぎて体重が増えてしまったという経験があると思います。

それにも関わらず食欲がなくなるという症状はうつ状態に近くなってきていると疑われます。

HSPの私がうつになった時と比較

実際、私は去年の10月に仕事のストレスから病院に行きました。
血便が出るようになったのがきっかけです。

大腸検査をすることになって検査の結果、大腸ポリープが3か所見つかりました。それと同時に抑うつ状態と診断がでました。

大腸は第二の脳と言われていますが、心理状態にも影響が出るのではないかと体感しています。

その時の私の状態をうつ病の診断基準に照らし合わせてみます。

スマートフォンの場合は水平に傾けるか右にスライドしてください。

No.チェック項目HSPの私
(抑うつ状態)
気持ちが落ち込む
物事に興味がなくなる、楽しめない
集中力や注意力が低下する
人生の敗北者(負け組)、
家族に申し訳ないと気に病む
×
価値がない人間だと自分を責めてしまう×
些細なことで将来に絶望感を持ってしまう
自分の体を傷つけたり(自傷行為)、
死んだ方がいいと思ってしまう。
×
寝られない、睡眠中に目が覚める(睡眠障害)
食欲がない
③から⑨まで当てはまった個数の合計4個

①気持ちが落ち込む

これは月2回、午前3時から午前8時まで 深夜作業のルーティーンがありました。

30代前半は体力もあって何とか若さで乗り越えられましたが40歳に近づくにつれ体がいうことをきかなくなりました。

作業は一人でやっていたので午前8時までに間に合っていたものが、間に合わなくなる状況が発生してものすごくストレスでした。

今後もこれをやり続けるのかと心が折れてしまい、休職しました。
仕事に復帰してもモチベーションは復活できず、気持ちが落ち込んでいきました。

8年勤務してきましたが、明らかにこれまでにない感覚でした。

② 物事に興味がなくなる、楽しめない

好きなテレビ番組は観ることができましたが、関心の向き方が浅い感覚はありました。

いつもなら興味のある事柄に関して想像を巡らすといった機会が減少します。

気になった単語をスマホで調べてみるといった行為も気力がなくてやらなくなりました。

③集中力や注意力が低下する

会社が事業売却されることになって、私は立場がマネージャ寄りの職位に就くことになりました。

そこで後輩の育成やらシステム開発の案件を同時にこなす環境に変わってやることが逆に増えてきたのです。

一人の時間と空間が確保できなくなって、次第に集中力が落ちていきました。
環境が変化する前は確保できていたのでストレス状態が継続したのです。

すると相手からの依頼も丁寧に対応できていたものが、ミスが目立ったり対応の品質が落ちているのを自分でも認識していたのを記憶しています。

⑥些細なことで将来に絶望感を持ってしまう

環境が変化したことに対して、これからもずっとこれをやり続けるのかといった絶望感がありました。

今思えば相手の要望は完璧でなくてよいレベルのものなのに、自分が何とか頑張らなければといった空回りの状態があったと思います。

些細なことです。負荷が高いなら上司に相談するなり、声をあげられなかったのは残念です。

しかし当時は苦しい期間が続いたので会社は辞めることにしました。

⑧ 寝られない、睡眠中に目が覚める(睡眠障害)

私は毎日ではないですが、1週間に3日から4日ほど深夜2時ごろに目が覚めることがありました。

その影響で睡眠の浅い状態があってその日の夕方には疲労がピークになって、これが集中力を欠く結果となりました。

そして冬なのに足の裏に汗をかいて、起きると違和感がありました。
これまではそのような経験はありませんでした。

これは振り返るとうつ病の症状の一つだったと記憶しています。

⑨食欲がない

普段は食欲がなくても食事はできる状態でした。
ところが朝、昼があまり食べたいと思えなくなりました。

週末は食欲が戻って体重が減った分を取り返すように食べることができましたが、最終的には5Kg減少しました。

これも振り返るとうつ病の症状の一つだと考えられます。

HSPはうつ(鬱)病とは異なるが近い

うつ病の診断基準のうち、ストレスを感じているHSPにとって

  • ④ 人生の敗北者(負け組)、家族に申し訳ないと気に病む
  • ⑤ 価値がない人間だと自分を責めてしまう
  • ⑥ 些細なことで将来に絶望感を持ってしまう
  • ⑦ 自分の体を傷つけたり(自傷行為)、死んだ方がいいと思ってしまう。

は既にうつ(鬱)状態に陥る土台があるのではないでしょうか。

うつ症状はHSPに限らず、すべての人がなります。

しかしHSPがストレスを感じているとうつ病に移行する条件が簡単にそろってしまう印象があります。

違和感があるなら専門家に相談

私は医者ではないので断定はできませんが、おかしいなと感じたら心療内科に行ってください。

しかし抑うつ状態になった私が感じるのはHSPの気質はうつ状態に限りなく近いです。

処方された薬

私が病院に通って処方された薬を紹介します。

スマートフォンの場合は水平に傾けるか右にスライドしてください。

薬の名前効果
パキシルCR 12.5mg~25mg意欲低下を改善する。
気分を落ち着かせる。
ゾルピデム酒石酸塩 5mg熟睡できるようになる。
寝付きをよくする。
ロラゼパム 0.5mg不安や緊張を和らげる

パキシルCR錠

使い始めと使い終わりに頭痛があります 。
飲み続けないと効果がでないと説明がありました。
服用中は効いている感覚はありましたが、飲んでいない方が楽です。

ゾルピデム酒石酸塩

劇的に効果があるわけではありませんでしたが、飲まないよりかはよかったです。

ロラゼパム

この薬は即効性があり、不安感を取り除いてくれました。
ただし依存性が高いので注意が必要。

最終的にどうしても環境を変えられないなら通院して薬を処方してもらうのがいいと考えます。ロラゼパムは効果が高いのでしばらくはやっていけると考えます。

しかし長期間継続できないと思える時は休職して様子を見た方がいいです。
復職してそれでもだめなら退職を検討してください。

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