HSPはなぜ正社員に向いていないのか【半分正しく半分誤り】

HSP

(1)HSPに正社員が向いていないと感じるのはなぜ?

(2)正社員でもやっていける条件はないかな。

この疑問に答えます。

本記事の内容
  • HSPが正社員に不向きと感じる理由
  • HSPは雇用形態でなく環境が超重要

正社員に向いていないと感じる理由は

正社員が不向きと感じる理由
  • 仕事への承認欲求が少ない
  • 立場的に責任を求められる
  • 会社で必要な3つの能力が弱い

HSPは正社員としてやっていくために

重要なのはいかに一人の時間・空間を確保できるかどうかなどの環境です

逆にこれらが維持できれば、正社員でもやっていくことは可能です。

本記事を読むことで、HSPに正社員が向いていないと感じる理由がわかります。

そして、正社員でもやっていける条件がわかります。

私は内向型HSPの正社員として15年以上、

教育担当、採用担当の経験があります。

そして、交流分析という心理理論を学び、HSPの弱点を知っています。

交流分析では人の性格を6つの人生脚本で表現します。

HSPはその脚本のうち、2つを多用します。

この2つの脚本を多用すると、

正社員に向いていないと感じる場面が多くなります。

HSPが正社員に向いていないと感じる理由

HSPがもつ内向性は会社と相性が悪いです。

冒頭でHSPは二つの人生脚本を多用すると書きました。

どんな人生脚本かというと、感受性内向性の性格です。

HSPは感受性と内向性に分解して考えるとわかりやすいです。

この感受性と内向性には弱点があります。

それは自分を責める傾向が強いということです。

HSPの弱点です。非HSPにはないです。

他の4つの人生脚本にはこの特徴がなく、むしろ相手を責める傾向があります。

これがHSPの生きづらさの本質とも言えます。

そして、HSPのもつ内向性は正社員と相性が特によくないんです。

理由を3点あげるとすると、以下の通りです。

正社員が不向きと感じる理由
  • 仕事への承認欲求が少ないから
  • 立場的に責任を求められるから
  • 会社で必要な3つの能力が弱いから

それぞれを詳しくみていきます。

仕事への承認欲求が少ないから

HSPの内向性には正社員に向かないとされる弱点があります。

それはなにかというと

・成功してはいけない
・目立ってはいけない

という特性です。

この二つはHSPの内向的な性格がもつ、自分に課している禁止事項です。

成功してはいけない
これは自分が有能だということに触れられたくない感情です。

あなたの幼少期に親からのコミュニケーションで成功してもさほど喜んでもらえなかった、

無視されたなどの経験をすると人生脚本に刻まれるとされています。

とはいえ幼少期の記憶はなんてないんですけど、という意見があるかもしれません。

ですが実際に、HSPの内向性は無意識に成功することを避けようとします。

これが大人になって、会社で正社員として働いていても作用します。

例えば、会議でも発言が苦手、仕事に対する意欲を疑われているのでは

と感じて生きづらさを感じます。

会社では面接から始まって、成功することに対して給料が支払われます。

HSPがもつ内向性は正社員と相性がよくない理由になります。

目立ってはいけない
これはわかりやすいです。

誰かの視界に入ってはいけないという禁止事項です。

HSPが一人になりたい心理はここからきています。

なぜ目立ってはいけないのか。

目立つことは成功につながるからです。

「成功してはいけない」を守るため、目立たないよう服も地味になり、誰かがそばにいると気が休まらないのです。

会社にいるだけで疲れるのはこれが原因です。

HSPがもつ内向性は正社員と相性がよくない理由になります。

もちろん、仕事の達成感は味わいます。

残念ながら、仕事に対して承認されたいという欲求はありません。

なぜなら、目立ってしまうから。ゾワゾワします。

いやいや自分なんてと謙遜するでしょう。

HSPはそれよりも、感謝の気持ちを伝えてもらうほうが

嬉しいのではないでしょうか。

立場的に責任を求められるから

正社員だと、立場的に責任を求められることが挙げられます。

HSPが緊張状態、プレッシャーを感じると

自分が強くなければならない

という心理になります。

自分が強くなければならないとは、どんな心理状態かというと

自分の感情を表にだしてはいけないということです。

例えば、あなたが誰かから仕事を頼まれたとします。

自分一人では手に負えない状況になっても、一人で何とかしようとしませんでしたか。

HSPは自分が大変であっても、誰にも大変だという感情を悟られたくないのです。

この状態は、ストレスです。

人間の心の仕組みとしてストレスを感じたら、避けるようにできています。

これがHSPが正社員に向かないと感じる理由です。

会社で必要な3つの能力が弱いから

これはショッキングな事実かもしれません。

私は15年以上正社員をやってきて、なんとなく感じていたんですよね。

会社で必要な3つの能力とは、

会社で必要な3つの能力
  • 管理能力
  • 行動能力
  • 判断能力

です。詳しく見ていきましょう。

管理能力

効率性・計画性のことです。

ちょっとした仕事なら問題ないです。

仕事がいくつかのタスクに分かれていて順番にこなせない場合、

いつまでにどれくらい手をつけたら終わりそうか

管理するのが苦手ではなかったでしょうか。

私は苦手です。

ビジネスの世界では、締め切りを守ることが信用になります。

周囲の人にはできて、自分ができないとなると正社員に向かないと感じますよね。

行動能力

即断即決力・新規開拓力のことです。

例えば、メールやチャットが届いたらすぐに返事する場面に相当します。

HSPは苦手ですよね。

例えば、行動能力は主に営業職で活かせる能力です。

営業職はHSPに向いていない職種としてよくでてきます。

しかし、私は過去にHSPで営業職の人にあったことがあります。

私には絶対に無理です。

ルート営業の仕事なら、仕事内容が定型的なのでこなせるのかもしれません。

判断能力

リーダーシップ・判断力のことです。

例えば、部下を統率して、正しい判断を行う能力です。

問題が起きても、みんなで相談して的確な指示だしをする場面で発揮されます。

目立ってはいけない、自分が強くなければならない特性上、HSPは苦手なはずです。

ここでも正社員に向かないと感じてしまいます。

HSPはこれらの3つの能力が得意ではないため、

仕事が遅いなかなか行動にうつせない自分で判断できない

という場面に遭遇した経験がなかったでしょうか。

自分は仕事ができないと勘違いして、自分を責める。

結果、正社員に向かないと感じるパターンに陥ります。

いやいや私は仕事への承認欲求ありますけど、という意見があるかもしれません。

それは仕事の承認をされたいのではなく、

感謝の気持ちや労って欲しい欲求ではないでしょうか。

HSPは仕事に対して承認されたいという気持ちは少ないです。

もし仕事に対する承認欲求が強い場合は、

HSPが成立する条件から外れていると考えています。

ご自身がHSPか診断するチェック項目を用意しました。

よろしければ、参考にしてください。

以上が、HSPがもつ内向性は正社員に向いていないと感じる理由です。

HSPは雇用形態ではなく環境が超重要

HSPは雇用形態ではなく環境が超重要だということです。

なぜなら、HSPである私がある会社で8年間ほど正社員として所属した実績があるからです。

では環境とはどんな条件なのか挙げます。

正社員でやっていくための条件
  • 一人の時間・空間が確保される
  • 自分のペースでできる
  • 指示内容が具体的
  • やることが一貫している
  • 臨機応変さが求められない
  • プレッシャーがあまりない
  • 安全である

この条件からいくつか見ていきます。

一人の時間・空間が確保される

これはどういうことかというと、誰もいない部屋で作業することです。

私の場合、自分専用の部屋を用意してもらいました。

私はもともとプログラマの仕事をしていたので、コーディング中は一人の時間になります。

完全に一人の時間があるわけではないですが、かなりの時間を過ごすことができました。

もしできなければ、パーティションで区切られているオフィスのある会社を選ぶことです。

いまだと、リモートワークが可能な会社があります。

こういった条件の部署や会社はねらい目です。

指示内容が具体的

HSPがもつ内向性は指示内容があいまいだと、

あたまが混乱する特性があります。

なぜかというと、想像力が豊かだからです。

これはこうかもしれない、ああかもしれないと可能性が次々と湧いて迷います。

そうならないよう、仕事の指示内容を具体的に受けられる環境が重要です。

面接の段階で指示内容を具体的にしてもらうよう会社におねがいするもよし、

自分でテンプレを作って、誰が誰にいつまでに何枚必要なのかなど

書き込めるようにしておくと迷うことがありません。

やることが一貫している

これはどういうことかというと、

マニュアルが用意されていて仕事内容が定型的だということです。

例えば、トラックのルート配送などです。

決まった時間にきまった場所、決まった人とだけ接する仕事です。

緊急事態が発生しても、ボタンを押すだけで助けを求められる仕事があれば理想です。

なければそのような仕組み化できないか、お願いしてみるのも一つの手です。

ところで、これらの条件すべて満たせる会社ってあるの?

という疑問が出てくるかもしれません。

全て条件を満たす会社は難しいかもしれません。

すべて満たしたいのなら、正社員でなく会社で働かない選択をしてもいいでしょう。

わたしは特に
一人の時間・空間が確保される
自分のペースでできる
の条件だけで、

正社員で8年ほど継続できました。

結論として正社員は可能です。

8年しか継続できないなら、正社員は向いていないのではという意見があるかもしれません。

世の中には3年で転職する人もいます。

正社員として向いているかと言われれば、

十分な期間ではないでしょうか。

ただし、無理はしないでください。

HSPが無理するとどうなるか、こちらの記事に書きました。

よかったら参考にしてください。

HSPでも正社員は可能。

ただし、環境が超重要。

まとめ

本記事のまとめです。

HSPが正社員に向いていないと感じる

半分正解なのは以下の理由から

正社員が不向きと感じる理由
  • 仕事への承認欲求が少ないから
  • 立場的に責任を求められるから
  • 会社で必要な3つの能力が弱いから

HSPが正社員に向いていないと感じる

半分誤りなのは以下の条件を満たせていないから

正社員でやっていくための条件
  • 一人の時間・空間が確保される
  • 自分のペースでできる
  • 指示内容が具体的
  • やることが一貫している
  • 臨機応変さが求められない
  • プレッシャーがあまりない
  • 安全である

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