HSPの仕事の遅さは丁寧さで活かせ【他人と比べなくていい】

HSP

HSPの仕事の遅さは丁寧さで活かせ

特に内向型HSPは仕事の遅さで悩んでいる人が多いです。

なぜかと言うと①指示内容を理解するのに時間がかかるし、

指示内容があいまいだと混乱するからです。

さらにHSPのもつ禁止令

自分が強くなくてはならない

相手を喜ばせなくてはいけない

が作用して、よくわからないまま仕事を進めて

時間がかかってしまうことが挙げられます。

禁止令についてはあとで説明します。

あと仕事の呑み込みが遅いと、相手がイライラしだすことがあります。

HSPはそんな相手の態度を敏感に察知してしまい、

話しかけられなくなり、ますます仕事が遅くなることがほとんどでしょう。

早くこなそうとすると、ミスが気になります。

HSPは仕事のミスで、誰かから怒られることを最も恐れます。

ミスを気にして仕事をするのが嫌だから、

異常なまでに完璧さを求めるわけです。

HSPはミスが起きやすいスピードが要求される仕事より、

丁寧さで勝負した方がいいと考えています。

内向性が強いと仕事が遅いのはなぜ

HSPは感受性内向性で成立します。

HSPでも内向型は特に仕事の遅さに悩みを抱えているでしょう。

残念ながら内向性は仕事を早く処理することに向いていません。

これがHSPの仕事が遅い理由です。

しかし、内向性にはある才能があります。

それは気の遠くなるような作業も、器用にこなし丁寧だということです。

会社で働くと、効率性を求められます。

そうするとHSPのもつ内向性と相性がよくないことがあります。

私は苦手なことを克服するよりも、得意なことを伸ばすほうが自己肯定感をさげなくていいと考えています。

苦手なことを克服するのもいいです。

しかし、かなりのストレスを伴います。

本記事では苦手なこと、仕事の遅さをどう克服するかについても紹介します。

自分にあった方法を取り入れていただけたら幸いです。

禁止令と拮抗禁止令
いきなり禁止令と拮抗禁止令という言葉がでてきて戸惑いますよね。

HSPには感受性と内向性の側面があると言いました。

本記事の根拠は、交流分析という心理理論から導いています。

禁止令とは、「〇〇してはいけない」という禁止事項のことです。

これは幼少期に両親から受け取ったメッセージから、自分に課しているルールです。

HSPの性格は、禁止令によって表れています。

それでは、拮抗禁止令とは何でしょうか。

これは、禁止令が守れない場合に代替手段として表れる衝動のことです。

禁止令「〇〇してはいけない」に対して、「〇〇しなければならない」という指令のことです。

例えば、HSPには禁止令「怒ってはいけない」が存在します。

これは、その言葉通り「怒ってはいけない」という禁止事項を自分に課しています。

日常生活で、「怒り」を感じることなかったでしょうか。

「怒り」を感じても、感情を外に出せませんよね。

HSPはそんな場面で、どうしているのかというと「相手を喜ばせなければならない」とふるまいます。

おそらく経験あると思います。

まとめると、こうなります。

HSP禁止令拮抗禁止令
内向性目立ってはいけない自分が強くあれ
感受性怒ってはいけない相手を喜ばせよ

内向型HSPは内向性が優先されます。

禁止令「目立ってはいけない」が強いです。

「怒ってはいけない」も有効です。

内向性が強いと、目立ってはいけないのです。

一人で過ごすことを好むのは「目立ってはいけない」が原因です。

しかし、日常生活で目立たないで過ごすことは難しいため「自分が強くあれ」、

つまりは自分が強くなくてはならないという拮抗禁止令を

自分に課して禁止令に対抗するのです。

内向性が強いと、なぜ仕事が遅いのかについてです。

結論をいうと以下の理由です。

仕事が遅くなる要因
  1. 指示内容の理解に時間がかかる
  2. 指示内容があいまいで混乱する

仕事が遅くなってしまう典型パターン

HSPでない内向的な人と何人も接してきて、

私も含め共通していることは、何をしなくてはならないか

イメージができていないことが挙げられます。

これはHSPに限った話ではありません。

HSPは感受性と内向性で成立すると言いました。

仕事の遅さは感受性よりも、内向性が強いと顕著だと考えています。

私は仕事の早い方ではないということは認めています。

だから丁寧さで勝負しています。

私の仕事はITエンジニアです。

会社で丁寧さが役に立ったことは、システムを開発してリリースする場面です。

システムに変更を加えることは、障害(不具合)の発生と紙一重の作業です。

私は他の誰よりも、リリース後の障害発生率が低かったです。

これは内向的な性格の強みです。

何度も確認に確認を重ね、それは上司からも認められてきたことから、

強みだと確信しています。

仕事が遅くなる典型パターン
  1. 指示内容があいまい
  2. 相手に質問ができない
  3. 仕事内容が整理できていない
  4. 何度も質問したら嫌がられる
  5. 上司から指摘される

①指示内容があいまい

内向性は具体的な指示内容がないと、混乱します。

想像力があるため、ああかもしれない、こうかもしれないと次々と疑問が湧いてきます。

拮抗禁止令「自分が強くなくてはならない」「相手を喜ばせなくてはならない」という衝動から、相手に確認することを怠ってしまう傾向があります。

結果、やらなくていい部分に手を出します。

しかも、細部に完璧さを求めてしまうので、さらに時間がかかり遅くなってしまいます。

②相手に質問ができない

相手が忙しそうにしていると、拮抗禁止令「相手を喜ばせよ」が作用して質問できないことがあります。

相手が機嫌悪そうにしていると、さらにできなくなります。

禁止令「目立ってはいけない」も影響してきます。

電話や口頭で質問する必要があると、誰かに会話内容を聞かれたくない作用が働いて、

質問ができない場面が挙げられます。

③仕事内容が整理できていない

拮抗禁止令「相手を喜ばせよ」が作用して、

仕事内容が整理できていないのに仕事を受けてしまうことがあります。

本当は疑問点があるのに、相手が忙しそう、機嫌が悪いから聞き返せないことが挙げられます。

拮抗禁止令「自分が強くなくてはならない」は自分の感情を表に出すことが苦手だということです。

そうすると、自分で何とかしなくてはという心理になります。

仕事が遅くなるのは自分がピンチだということを表に出せないからです。

締め切り直前になっても、仕事がなかなか進まずギリギリになって状況が明るみになるパターンがよくあります。

④何度も質問すると嫌がられる

①「指示内容があいまい」、②「相手に質問ができない」と

相手の言っていることが、よく呑み込めない場合は質問をしなければなりません。

呑み込みがよくないと、何度も同じ質問をして邪険にされることもあります。

質問のタイミングがよくないと「後にしてくれる?」と煙たがられることがあります。

こうなるとHSPは自分が受け入れられていないと感じ、質問をすることができず一日を終えるのです。

結果、仕事が遅くなります。

⑤上司から指摘される

拮抗禁止令「自分が強くなくてはならない」が作用して、

仕事が進んでいないことを相談するチャンスを逃してしまいます。

仕事がなかなか進まないことを、上司につつかれてはじめて状況が明るみになります。

「あれどうなっている?」とつつかれて、「実は・・・」。

まだ仕事が終わっていないという場面がよくあります。

仕事が遅いときの対処法

続いて仕事が遅いときの対処法です。

仕事の遅さは内向性にある、と言いました。

そうすると、次の2つの考え方ができそうです。

A面は、仕事の遅さは内向性の特徴として割り切る。

自分らしさを追求する方法です。

B面は、負荷は高いけれど、純粋に仕事の遅さを改善する方法です。

A面は負荷が低い、B面は負荷が高くなります。

(A面)丁寧さで勝負する

A面は仕事の早さではなく、丁寧さで勝負する方法です。

(A面)丁寧さで勝負する
  • 丁寧さを活かす
  • 定型的な仕事にする
  • シングルタスク
  • 人と比べない
  • 会社で働かない

丁寧さを活かす

早く進めるのが苦手なら、割り切ってしまうのも一つの方法です。

その代わり、内向性が得意な丁寧さを活かすということです。

締め切りがタイトでない仕事に、配置転換を願い出てしまうのです。

AIにできない緻密な仕事は内向性の得意分野です。

私は会社員として働いていたとき、仕事は遅かったのですが品質の良さを評価されたことがあります。

内向的でない人は次第に面倒くさくなり、集中力が途切れるのです。

間違っていたら、訂正すればいいと考えているわけです。

HSPはミスを極端に恐れるため、確認する時間を大事にします。

時間はかかりますが、確認の徹底が丁寧さにつながっています。

定型的な仕事にする

内向性は突発的な仕事、臨機応変さが要求される仕事に向いていません。

定型的、マニュアルがある仕事の場合、悩む余地をうまないため安心して仕事を進められます。

定型的ではあるけれど、集中力が要求される仕事は向いていると言えます。

ただし、条件があります。

一人の時間・空間が確保されていないと、持ち前の集中力が活かせません。

会社で働いているなら、相談してみてください。

私はデスクにパーティションを設けてもらい、黙々と仕事をして乗り切りました。

シングルタスク

内向性はマルチタスクをこなすのが、得意ではありません。

とにかく一点集中型。

HSPに限らず、内向型の人もみんな口をそろえて主張しています。

内向型の人はマルチタスクが苦手…原因と3つの対策を教えます! | 内向型人間の教科書
こんにちは。 「自分らしい働き方ができる内向型人間を増やす」をミッションに活動している内向型プロデューサーのカミノユウキ

そして細部に意識が向きやすく、周りが見えなくなるほどの集中力を発揮することがあります。

マルチタスクはミスを誘発することが知られています。

マルチタスクが与える恐ろしい影響。人間の脳が同時に推進できるタスクはいくつまで? | ZUU online
「スマホ脳」「SNS依存症」「テクノ依存症」といった言葉を、よく耳にするようになりました。「スマホやSNSを常にチェックしていないと気がすまない」「時間のムダだとわかっていながら、スマホを操作してしまっている」といった状態を指しています。

マルチタスクではなく、一つずつ処理していく仕事がいいでしょう。

あれもこれもと手を付けると、手を付けていないほうの仕事が気になるので

シングルタスクがいいです。

人と比べない

HSP以外の性格タイプの中には「仕事への承認欲求」が強い人たちがいます。

よくHSPは完璧主義だと言われていますが、完璧主義なら会社から重宝されるでしょう。

なぜHSPは悩んでいるのか、それは仕事が遅いからです。

非HSPの中には、私たちよりもっと完璧主義の人たちがいます。

それは知プラスと意プラスの人たちです。

知プラスと意プラスに関しては、こちらで取り上げています。

冒頭で拮抗禁止令の話をしました。

知プラスと意プラスは拮抗禁止令が「完璧であれ」です。

仕事に対する意識が違います。

例えば、知プラスは過労死するまで働いたりします。

彼らは上司、リーダーに多く、HSPは部下として接することがあります。

彼らと心理的欲求が違うことを認識することも重要です。

彼らの得意な舞台で戦うのは疲弊するだけ。

人と比べることは、自分を責めるだけで何もいいことがありません。

会社で働かない

特に内向型HSPは会社にいるだけで、疲れます。

理由は禁止令「目立ってはいけない」が影響するからです。

ただし、リモートワークで人との接触が限られている場合は会社でもやっていけるでしょう。

ところが出社しなくてはいけない、人と連携して働かなくてはいけないとなると、

かなりの負荷がかかります。

このような条件の場合、会社にいるだけでパフォーマンスが時間とともに低下していくと考えてください。

これって、かなり不利です。

無理に会社で働くと、HSPの仕事の丁寧さが活かせず、台無しになります。

人生は長いです。

自分に向いた働き方があるなら、検討してもいいはずです。

会社で働くと常にスピード、スピードと求められます。

自分のペースで進められる環境の方が負荷は少ないです。

(B面)苦手を克服する

B面は苦手なことを克服する、仕事の遅さを改善する方法です。

苦手なことを克服する場合、かなりのストレスがかかります。

これから紹介する方法はコミュニケーションを頻繁にとる必要があります。

これは、HSPが持つ禁止令「目立ってはいけない」に違反します。

違反するとどうなるのでしょうか。

拮抗禁止令「自分が強くなくてはならない」が発動するのでしたね。

これは思い込みなので、禁止令に対して許可を出すことで対処することができます。

つまり目立ってもいいと、と自分に許可してください。

最初は違和感があるかもしれません。

禁止令が思い込みだと認識できれば、徐々にできるようになります。

もちろん、できなくても自分に許可してください。

大切なのは、自分を責めないことです。

(B面)苦手を克服する
  • 仕事の方針をきめる
  • 仕事の優先順位をきめる
  • メモをとる
  • 休憩を定期的にとる

仕事の方針をきめる

仕事進め方、つまり方針をどうするかは非常に重要です。

方針次第では、やらなくていい仕事が明確になるからです。

指示内容があいまいだと何から手を付けていいのか、悩みます。

仕事の進め方をあらかじめ、悩まないよう相手に確認しながら疑問点を徹底的につぶしてください。

この条件なら、一人で進められそうだと確信できるまでが目安になります。

しかし仕事を進めていくと、疑問点が生じることもあるでしょう。

その場合も、そのつど疑問点を解消してください。

この方法はHSPが持つ禁止令「目立ってはいけない」に違反するため、ストレスがかかります。

HSPの内向性は、「自分が強くなくてはならない」と思い込みやすいです。

ちょっと間に合わないかも、と感じていても自分の心のなかに秘めてしまう傾向があります。

間に合わないかもが、現実味を帯びてきたら誰かに助けを求めてください。

仕事の優先順位をきめる

仕事の方針がきまったら、今度は優先順位をきめます。

これは知プラスが仕事を進めるうえで、もっとも大事にしていることです。

知プラスとは、どんな人かはこちらを参考にしてください。

彼らは時間を無駄にすることに、執念ともいえるほどの責任感があります。

仕事を進めるうえで、彼らの逆算思考が役に立ちます。

いつまでに何をやれば間に合うか、時間を逆算するのです。

とにもかくにも、いつまでに仕事を終えなければならないか。

これを確定します。

そうしないと、優先順位が決められないからです。

仕事の優先順位のきめかた
  1. 仕事の期限を確認
  2. 仕事をタスクに分解する
  3. 分解したタスクに優先順位をつける
  4. 分解したタスクを少しやってみる
  5. 時間を見積もる
  6. 無理そうなら相談

④「分解したタスクを少しやってみる」でどれくらい時間がかかったのかを記録します。

例えば、分解したタスクが20分かかり、半分できたのなら40分と見積もることができます。

全てのタスクを一つずつ、仕上げなくてもどのくらい時間がかかるか予想するのです。

仕事の期限に間に合わなさそうなら、早めに上司に相談しましょう。

これを実践することで、仕事の遅さを未然に防ぐことが可能です。

メモをとる

忘れてもいいようにメモをとります。

メモは忘れるためにあります。

どんな人も、ずっと覚えていられません。

ひょっとすると、同じ場面に遭遇することも考えられます。

これは何度も相手に質問して、煙たがられるのを防ぐ目的もあります。

特に知プラスの人に何度も同じ質問をすると、邪険にされます。

そしてメモは後から思い出せるように、日付、どんな問題を解決するためか分かるようにとります。

こうしないと、何のためにメモをとったのか無駄になってしまうからです。

パソコンの付箋(ふせん)機能は便利です。

色分けできるので、用途に応じて使い分けすれば、

思い出す時間を短縮することができます。

休憩を定期的にとる

HSPが持つ禁止令「目立ってはいけない」は一人の時間を必要とします。

会社に出社して働かなくてはならない場合は、定期的に一人になる必要があります。

これはHSPにとって不利な点です。

例えば、ランチは一人で済ます。

定期的にトイレで休むことを実施してください。

何回もトイレに行くと他の人の視線が気になるでしょう。

しかし定期的に一人の時間をとらないと、パフォーマンスが低下するので仕方がありません。

しっかりと、休憩をとってください。

こんなときどうするの

仕事が遅いのは内向性が原因だということはわかりました。

だけど本記事で紹介した対処法に対してこんな疑問が出てくるかもしれません。

その疑問にお答えします。

質問すると「後にして」

HSPなら、一度はくらったことがありませんか。

「わからないことがあったら、質問してください」と言ったにも関わらず、

質問をすると「ちょっと、後にしてくれる?」と返される場面です。

自分より相手の仕事が優先されたことに、自分が受け入れられていない感情を味わいます。

この場面は、タイミングがわるかったとしか言いようがありません。

「後にしてくれる?」に対しては、以下の対処法があります。

「後にして」への対処法
  • メールやチャットで質問する
  • 質問の時間を提示する

メールやチャットで質問する

相手が集中しているときに話しかけると、

いま手を付けている仕事が一段落するまでは誰にも邪魔されたくない心理があります。

なので、それを防止するためテキストによる質問をすることをおすすめします。

こうすれば、相手の手が空いたタイミングでリアクションをもらうことが可能になります。

リアクションがあってから、改めて質問すれば「後にして」と返されることが少なくて済みます。

質問の時間を提示する

相手は1分たりとも、時間を無駄にしたくないと考えてください。

HSPはこの態度に自分が受け入れられていない自分が強くなくてはならないという心理になります。

要するに居心地がわるい感覚になります。

自分が拒絶され、孤立している状態を味わうことがあったのではないでしょうか。

少しでもダメージを減らすには、あらかじめ話の要点、所要時間を提示することです。

1分で済む話なら、「1分だけお話する時間ありますか」と話し始めてください。

それなら、話を聞きましょうと相手の態度が軟化することがあります。

呑み込みが遅いと邪険にされます

私が内向的な人と一緒に仕事をしてきて、よく目撃する場面です。

仕事の内容が呑み込めず、要領をえない様子に、邪険に扱う人がいます。

時間はかかりますが、何度も経験をつむことで呑み込むことができるようになると考えています。

問題は邪険にする人たちです。

邪険にされると、HSPを含め内向的な人は「自分を責める」経験をします。

なので、自分を責めないでください。

仕事を教える側にも問題があると思っています。

あまりにきつい場合は部署の配置転換、仕事の丁寧さを活かせる環境に転換してください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。本記事のまとめです。

HSPの仕事の遅さは、内向性が原因。

内向性はスピードよりも、丁寧さが得意。

会社はスピード重視で、HSPと相性がよくないことも。

HSPの仕事が遅いのは
  1. 仕事内容があいまいで混乱する
  2. 仕事内容がイメージできない
仕事のスピードを上げるには
  • 仕事の方針をきめる
  • 仕事の優先順位をきめる
  • メモをとる
  • 休憩を定期的にとる

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