HSPの仕事ができないと感じる理由【非HSPとの違い】

HSP

(1)HSPで仕事ができないと感じるのはなぜ?

(2)仕事ができないと感じるなら、どうしたらいいの。

(3)HSS型HSPには、どんな仕事が向いているの?

この疑問に答えます。

実はHSPで仕事ができないと感じる理由は、会社で必要な3つの能力が高くないからです。

逆に非HSPは、会社で必要な3つの能力が高いです。

このメカニズムを認識すると、生きづらさが軽減します。

本記事の内容
  • 会社で必要な能力と
    HSPの相性がよくない
  • 仕事ができないと感じたときの対策
  • HSS型HSPは最強クリエーター

HSPは感受性と内向性が強くあらわれた人です。

内向性は「成功してはいけない」という禁止事項を自分に課しています。

「成功してはいけない」は、HSPで仕事ができないと感じる原因に大きく関わっています。

会社で評価されるのは、仕事ができる人です。仕事は、成功して初めて仕事です。「成功してはいけない」禁止事項によって、仕事ができないとHSPを勘違いさせるのです。

①会社で必要な3つの能力
②「成功してはいけない」禁止事項が、

HSPで仕事ができないと感じる理由です。

結論、非HSPの得意分野で戦わないことです。仕事ができないのではなく、環境があってないと考えてください。

本記事を読むことで、HSPで仕事ができないと感じるメカニズムがわかります。

私は内向型HSPの当事者として、40年以上すごしてきました。

そして、交流分析という心理理論を学び、

HSPについて生きづらさを軽減するための情報を発信しています。

幼少期に自分に刷り込んだある禁止事項が、HSPの性格を形成し

生きづらさを生み出していることを知りました。

交流分析では人の性格を人生脚本で表現します。

HSPは6つある脚本のうち、2つを多用します。

この2つの脚本を多用するため、

HSPで仕事ができないと感じる場面が多くなります。

会社で必要な能力とHSPの相性がよくない

会社で求められる能力とHSPの相性がよくないです。

なぜなら、会社で求められる次の3つの能力が高くないからです。

例えば、次のような能力です。

会社で必要とされる3つの能力
  • 管理能力
    =効率性・計画力
  • 行動能力
    =即断即決・交渉力
  • 判断能力
    =リーダーシップ・判断力

詳細はあとで触れます。

親から受け取った感情からHSPに

そもそもHSPになったのは、交流分析によると幼少期に親(養育者)から味わった「ある感情」がきっかけとされています。

その感情とは

HSPが幼少期に味わった感情
  • 「成功してはいけない」
  • 「怒ってはいけない」

です。

※「怒ってはいけない」に関しては、
今回テーマが異なるため割愛します。

根拠は交流分析という心理理論からアプローチしています。

交流分析について簡単に説明しますと、1950年代後半に、

精神科医エリック・バーンによって提唱された心理理論です。

彼は「人間はゆりかごから墓場まで、人生脚本を演じ続ける」と主張しています。

自分自身の人間関係や認知傾向を知り、対人関係の問題を解消したり、

トラブルを回避したりするための心理療法になります。

HSPの生きづらさは、すでにエリック・バーンによって浮彫りになっていたんです。

HSPを内向性と感受性に分解する

HSPになるのは、あなたが3歳までに両親から受け取ったある感情が原因といわれています。

大人になってもその感情を味わうことをしないよう、人生脚本を忠実に演じつづけます。

これに気づかないと生きづらさは死ぬまで続くことになります。

人生脚本は6種類あります。

HSPは自分を責めやすい、2つの脚本を多用しています。

自分を責めやすい理由に関しては、こちらを参考にしてください。

話を戻します。

HSPは2つの人生脚本を多用すると言いました。

どんな脚本なのかというと、内向性と感受性です。

HSPで仕事ができないと感じる理由は、感受性と内向性に分解するとシンプルになります。

※今回は感受性については取り扱いません。

HSPの人生脚本

6種類ある人生脚本のうち、HSPと非HSPとの違いを示します。

人生脚本HSPとの関係性
Aなし
Bなし
Cなし
D感受性
E内向性
FHSS
HSPと人生脚本

人生脚本の構成

人生脚本は禁止令、拮抗禁止令、プログラムという構成になっています。(すべての人生脚本で共通)

人生脚本の構成説明
禁止令「〇〇してはいけない」
ブレーキの役割。
拮抗禁止令「〇〇しなくてはならない」
アクセルの役割。
プログラムいまココに対処する
実際の行動
人生脚本の構成

禁止令「〇〇してはいけない」に違反しそうになると、
拮抗禁止令「〇〇しなくてはならない」という衝動に駆られます。

例えば、前を走っているクルマがブレーキだけで避けられなかったら、アクセルを踏むしかないですよね。そうやって事態に対処していると考えてください。

禁止令、拮抗禁止令台本だとすると、プログラムは俳優(あなた)に相当します。

つまりは禁止令、拮抗禁止令は台本に書かれているだけで、台本通り演じなくてもいいことになります。

台本通り演じると不都合(生きづらさ)が生じることもあります、アドリブもしていいんです。

内向性の問題「成功してはいけない」

HSPはなぜ、「成功してはいけない」のか。

あなたが幼少期に「成功してはいけない」感情を味わう経験をしたからです。

例えば、あなたが幼少期に成功体験を両親にアピールしたとします。

ハイハイをして成功したことを両親にアピールした、もしくは”おむつ”を替えて欲しくて泣いてアピールしたとします。

ところが、両親はそれに関心を示さない。もしくは面倒を見てくれなかった。

などの経験をすると、自分は成功をしてはいけないんだという感情を味わいます。

成功をアピールしたけど、相手にしてもらえなかった、

もしくは成功を否定する言葉や態度で対応された。

あくまで一例です。

いや両親はちゃんと面倒見ていたよという意見もあるかもしれません。覚えていないだけです。

成功をアピールしたけど期待するリアクションが得られず、

「成功してはいけない」感情として受け取ったのです。

すると、成功することを避けるよう禁止するルールを自分の人生脚本に刻み込むのです。

内向性の人生脚本は禁止令「成功してはいけない」がメインにあります。

内向性の人生脚本内容
禁止令(メイン)「成功してはいけない」
禁止令(サブ)「目立ってはいけない」
その他にもある
拮抗禁止令「自分が強くなくてはならない」
プログラム(本心は一人の時間、
空間を過ごしたい)
内向性の人生脚本

内向性の人生脚本のシナリオはこうです。

禁止令「成功(アピール)してはいけない」

禁止令に抵触しない限り、
プログラム「誰とも関わらず一人で過ごしたい」

とはいえ、成功するためにみんな会社に行っているし、成功するためには会社で誰かと顔をあわせなければならない。禁止令に抵触しそう・・・。そんなときは

拮抗禁止令自分が強くなくてはならない」が作用します。

これは、禁止令「成功してはいけない」に対抗するように、自分が強くなって事態に対処することを意味します。仕事は成功しないと成立しません。

「成功してはいけない」を守ると仕事ができないため、仕方なく自分の中のスイッチ(アクセル)をONにしているイメージです。「自分が強くなくては・・・」は、緊張・プレッシャーを伴います。

このとき誰かに自分の本心を悟られてはいけないため、強がって一人でなんでも解決しようとする失敗するパターンが知られています。

でも、想像してみてください。脚本には禁止令、拮抗禁止令が書いてありました。

これって守る必要ありますか。ただの思い込みですよね。こんな縛りプレーしていたら、生きづらくないですか。

HSPが苦手とする3つの能力

さて、いよいよ本題に入ります。

HSPが苦手とする3つの能力について、振り返ってみましょう。

会社で必要とされる3つの能力
  • A.管理能力
    =効率性・計画力
  • B.行動能力
    =即断即決・交渉力
  • C.判断能力
    =リーダーシップ・判断力

6つの人生脚本に3つの能力をあてはめてみます。

6つの人生脚本HSPが苦手な3つの能力
A管理能力
B行動能力
C判断能力
D(感受性)
E(内向性)
F(HSS)
3つの能力と人生脚本

A.管理能力

人生脚本Aで示される性格タイプは、ものごとの状況を分析・把握する能力に長けています。例えば、以下の能力です。

A.管理能力とは
  • 優先順位をきめる
  • 計画をたてる
  • 不測の事態に備える
  • 事実を正確に把握
  • 全体を俯瞰(ふかん)する
  • 常に冷静である
  • 目標を効率よく達成する
  • 締め切りをまもる

HSPはこれらの能力が苦手なはずです。

HSPである私は会社員を15年以上経験してきましたが、いまだに苦手です。

B.行動能力

人生脚本Bで示される性格タイプは、ものごとを交渉・即断即決する能力に長けています。例えば、以下の能力です。

B.行動能力とは
  • 自分に有利になるよう交渉する
  • 損得勘定にたけている
  • ピンチや逆境に強い
  • カリスマ性がある
  • 環境変化に順応できる
  • 勝負ごとに強い
  • 即断即決、即行動
  • 非情な決断も行える

HSPはこの行動能力が特に苦手です。

私は腰が重く、慎重になってしまいます。

C.判断能力

人生脚本Cで示される性格タイプは、ものごとの価値を見出し・正しい判断をする能力に長けています。例えば、以下の能力です。

C.判断能力とは
  • 自分の意見がある
  • 誤りを見逃さない
  • 堂々としている
  • 観察・洞察力が高い
  • 忠誠心が強い
  • 忍耐力がある
  • 人を見抜く力がある
  • 判断に迷わない

HSPの私は判断に迷ってばかりで、意見を求められてもすぐに返せません。

以上が、HSPが苦手とする3つの能力でした。

会社で必要な能力とHSPの相性はよくないです。

仕事ができないと感じた時の対策

非HSPの得意分野で戦わないことです。仕事ができないのではなく、環境があってないと考えてください。

理由は人と比べてしまい、仕事ができないと誤解するからです。

例えば、HSPはこんな失敗パターンで仕事ができないと誤解するでしょう。

HSPが仕事で失敗するパターン

内向性の側面

  • 周囲とのコミュニケーション不足
  • 細かい点にこだわり作業が遅くなる
  • 自分一人で何とかしようとする

HSPがとれる対策としては、失敗パターンを避けて自分を責めない環境が必要です。

ここで、仕事ができないと感じた場合にできる対策を3つ挙げます。

仕事ができないと感じたときの対策
  1. 非HSPの行動をまねる
  2. 非HSPの得意分野で戦わない
  3. HSPの得意分野で戦う

①非HSPの行動をまねる

ここでは、HSPが苦手とする3つの能力を高める方法を挙げます。

A.管理能力を高めるには
人生脚本Aをもつ彼らはつねに逆算思考をしています。

例えば、ある仕事の締め切りが3日後ならいつまでに作業を開始すればいいのか考えています。仕事内容が簡単なら、ギリギリ当日やってもいいです。

そうすると締め切りを迎えるまでは、別の作業ができます。そうやって優先順位を決めるのです。つねに選択肢を用意しておくことも、不測の事態に備えることができます。

私はこうやって管理能力を訓練しています。

B.行動能力を高めるには
人生脚本Bをもつ彼らは目立つことに抵抗感が強くありません。

対してHSPには「成功してはいけない」加え、「目立ってはいけない」禁止ルールがあります。人生脚本にある禁止令は許可することで、「目立ってはいけない」禁止ルールを解除することができます。

HSPは自分の感情を表面にだすのが苦手なので、自分の本心を悟られても死なないくらいの意識をもつようにします。

例えば、仕事が一人で手に負えないようなら、助けてくださいと誰かに相談することから始めます。

禁止令に許可することは利き手を右から左に変えるような感覚に近いです。

ただし、できない場合は無理しなくて大丈夫です。自分のペースで構いません。

C.判断能力を高めるには
人生脚本Cをもつ彼らは判断に迷いません。

なぜかというと、普段から自分軸がしっかりしているからです。自分軸というのは価値観です。対してHSPは不測の事態に動揺します。

人生脚本Cの彼らは危機管理能力が非常に高いです。例えば、普段から災害が発生したときには、この道順で自宅まで帰るにはどうしたらいいか決めています。

HSPは危険察知能力が高いです。しかし、危機管理能力は高くありません。

地震が起きたときに、帰る方法までは把握できていないのではないでしょうか。私はそうです。

つまりはニュースで災害がおきたら、自分ならこの道で帰るといった基準をあらかじめ決めておくことで判断能力を高めることができます。

彼らのように自分軸がきまっていると、判断に迷わなくなります。

HSPの仕事ができないと感じる場面のひとつに、「仕事が覚えられない」があります。

仕事を覚えられない場合の対策
  • メモをとる
  • わからないままにしない

一番重要なのは、「わからないままにしない」ことです。

HSPは頭の回転が速いほうではありません。相手が口頭で伝えた内容を理解しないままにする傾向があります。

理由は、何度も聞き返すと相手に迷惑がかかると考えているからです。もし迷惑がかかるなら、最初の段階で迷惑をかけておいたほうがいいです。

仕事を受けて進めていくと、必ずといっていいほど疑問点がでます。

あとでまとめて相談すると、「後にしてくれる?」と返されてダメージが大きいです。

②非HSPの得意分野で戦わない

理由は人と比べてしまい、自分を責めるパターンになりやすいからです。

自分を責める=仕事ができない」は思い込みです。

そして、HSPが苦手な3つの能力を要求される場面では

・仕事がつらい
・仕事辞めたい

といった気持ちになります。

無理して非HSPの得意分野で戦うのは、自己肯定感がさがるだけです。

環境を変えてください。

環境を変えるにしても、一つ問題が浮上します。

それは、HSPだと転職に踏み切るまでに時間がかかることです。

転職に踏み切れない理由
  • 自分の本心を伝えるのが苦手
  • 会社に悪いと感じてしまう

転職に踏み切れない問題にも自分に許可してください。自分に嘘をついてまで、我慢してはいけません。

私は限界を迎え、「隠れうつ」になってしまいました。

③HSPの得意分野で戦う

HSPの内向性が仕事できないと感じる大きな理由なら、内向性が得意な分野で戦うことが対策になります。

HSPがもつ内向性の得意分野
  • 細部に丁寧さが要求されるもの
  • 一点集中シングルタスク
  • 権限が自分で選択できる

HSPがもつ内向性は、他の人が苦痛を覚えるような単調、細かい作業が得意です。器用にこなせます。

そして、自分の権限が自分で選択できる環境が向いています。

HSPはシングルタスクで勝負
HSPはマルチタスクができないと考えたほうがいいです。頭が混乱するからです。

誰にも邪魔されることのない環境で、一点集中の丁寧さを活かしてください。

仕事が続かないなら会社にこだわらない
会社にある仕事がすべてではないです。HSPがもつ内向性にとって、一人で作業するのは明らかに生産性が高いからです。

人がたくさんいる会社にいることは、20kgもある甲冑を装備しているのと同じだと考えています。

会社では毎日、勝ち負けの場面にさらされます。HSPは、勝ち負けにさらされ続けると「自分は何をやっているんだろう」と自問自答しはじめます。

会社で追い込まれるのと、一人で追い込まれるなら、一人のほうがマシです。

HSPの仕事の探し方
なるべく一人で完結できる範囲の仕事を選んでください。

私はプログラマーの仕事で8年続いた経験があるからです。

理想をいうと職種で探さない方がいいです。

結局、HSPにあった仕事は何なの?という疑問があるかもしれません。

その答えは、行動するしかないと考えています。試してみて、合わなかったら変えてみる。

会社にこだわらないのも一つの手です。

この章のまとめです。

仕事ができないと感じるなら
  • 非HSPの得意分野で戦わない
    →人と比べ自分を責めるから
  • HSPは仕事ができないのではない
    →環境があってない

HSS型HSPは最強クリエーター

HSS型HSPで仕事ができないと感じるなら、クリエーターが最強です。

非HSPにはない、次の3つの強みがあるからです。

HSS型HSPの強み
  1. 創造力
  2. 想像力
  3. 感受性
強み特徴
①創造力(HSS)0から1を生みだす力
②想像力(内向性)AをBに膨らます力
創造力と想像力の違い

創造力と想像力の違い
HSSは、何もないところから何かを生みだす。

内向性は、すでにあるものを別のものに膨らますことができます。

HSS要素と、内向性要素が組み合わさると、発明家として活躍するケースがあります。

藤原麻里菜さんは、まさにクリエーターとしての才能を発揮しています。

無駄づくり

③感受性は音楽や芸術方面で作品に心を動かされ、感動する才能にたけています。

感受性には何かの作品をうみだす行動の原動力を秘めています。

あなたがHSS型HSPかは、以下の記事でチェックできます。

まとめ

本記事のまとめです。

①会社で必要な3つの能力
②「成功してはいけない」禁止事項が、

HSPで仕事ができないと感じる理由です。

会社で必要とされる3つの能力
  • A.管理能力
    =効率性・計画力
  • B.行動能力
    =即断即決・交渉力
  • C.判断能力
    =リーダーシップ・判断力
仕事ができないと感じたときの対策
  1. 非HSPの行動をまねる
  2. 非HSPの得意分野で戦わない
  3. HSPの得意分野で戦う

非HSPの得意分野で戦わない。
仕事ができないのではなく、環境があってない。

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コメント

  1. […] HSPが仕事ができないと感じてしまう理由|報連相の壁HSPが悩むことで多いのが、会社での仕事がうまく行かないことが挙げられます。 会社組織は非HSPの社会です。そこにHSPが飛び込むわ […]

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